第33回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【D-16】わたしはここに存在している

11/23[祝・木] ベルブホール
チケット情報

チケット料金

一般
前売:1,200円 / 当日:1,400円
支援会員/障がい者・付添者1名(前売はPassMarketのみ)
前売・当日:各1,000円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

▼インターネットで購入

PassMarket【一般、子ども(4歳~小学生)】
PassMarket【支援会員、障がい者・付添者】

▼窓口で購入

多摩市立永山公民館(ベルブ永山 3階)

取扱時間:9:00〜17:00
※ただし、休館日および祝日の11/2、11/3、11/16、11/23は休止

多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ 7階)

取扱時間:9:00〜17:00
※ただし、休館日および祝日の11/3、11/6、11/20、11/23は休止
会場アクセス

ベルブホール

〒206-0025 東京都多摩市永山1-5
小田急多摩線/京王相模原線「永山駅」より徒歩2分。ベルブ永山5階

そばかす

  • 2022年/「そばかす」製作委員会製作/ラビットハウス配給/104分
  • 監督=玉田真也
  • 企画・原作・脚本=アサダアツシ
  • 音楽・録音・音響効果=松野泉
  • 主題歌=三浦透子「風になれ」
  • 出演=三浦透子、前田敦子、伊藤万理華、伊島空、前原滉、前原瑞樹、浅野千鶴、北村匠海、田島令子、坂井真紀、三宅弘城

ストーリー

蘇畑佳純(三浦)は音大を卒業後、チェロの道に自信を失くして実家に戻り、コールセンターで働いている。30歳の彼女の周囲には、出会いを求めて積極的な同僚や勝手にお見合いをセッティングする母……。佳純自身にも気の合う人がいないわけではないが、どうしても恋愛関係になりたいと思わない。自分ではそれで十分と思っていても、周りは理解してくれない。そんなとき、地元に戻ってきた中学時代の同級生・世永真帆(前田)と再会して自分の考え方を再確認することになる。

コメント

私は朝の中田島砂丘に行って感動したことがあるが、浜松の海岸に行くと空と海からたくさんのエネルギーを受け取っているような感覚になる。佳純は何を求めて海辺に行くのだろう。

内面を掘り下げるとはよく言うが、簡単なことではない。佳純にとっては真帆との再会が補助線となり、少し踏み出すことで、周囲に自身の考えを伝えることにつながっていった。それは段階的でも突発的でもあったが、自分のペースを大きく崩さずブレることなく生きていく佳純の姿は、観る者にも自己肯定感を与えてくれる。きっと「まず相手の言葉をそのまま受け止める」姿勢をもっているからだろう。

キャストは実力派揃いで、とても観ごたえのある本作。個人的には主題歌「風になれ」を気に入っていて、現在でも繰り返し聴いている。米国では2023年7月に『バービー』(グレタ・ガーウィグ監督)が公開され大ヒットしたが、その約7か月前に日本で本作が公開されていた!ということを世界中に発信したい。(渉)

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい

  • 2023年/イハフィルムズ製作・配給/109分
  • 監督・脚本=金子由里奈
  • 原作=大前粟生「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」(河出書房新社 刊)
  • 脚本=金子鈴幸
  • プロデューサー=髭野純
  • 撮影=平見優子
  • 録音=五十嵐猛史
  • 音楽=ジョンのサン
  • 出演=細田佳央太、駒井蓮、新谷ゆづみ、細川岳、真魚、上大迫祐希、若杉凩、天野はな、小日向星一、宮崎優

ストーリー

京都のとある大学の「ぬいぐるみサークル」通称「ぬいサー」を舞台に、 “男らしさ”“女らしさ”のノリが苦手な大学生・七森(細田)、七森と心を通わす⻨戶(駒井)、そして彼らを取り巻く人びとを描きながら新しい時代の優しさの意味を問いかける。

コメント

「ぬいぐるみとしゃべる」その姿を、映像を通して見ることは衝撃であったが、身に覚えもあった。自分も小さい頃ぬいぐるみをどこにでも連れて話していた。思えば絶対的な味方を連れて経験を分かち合っていたのかもしれない。

ぬいぐるみは不思議だ。形も大きさも表情も多様だ。話しかけるとすべてを引き受けてくれる優しさと包容力を感じる。もっともこれも随分と人の勝手ではあるが……。

ぬいぐるみとしゃべる人は、発することで傷つけたり傷ついたりするリスクを回避している人をはじめ、さまざまであり、多方面への配慮と尊重を考えるとこれは「優しさ」だ。だけどあまりに優し「すぎる」から私は苦しかった。言葉の傷は私も勝手に受けたこともあるし意図せず与えたこともある。でもぬいサーで同じように思う人が存在していることを知るだけで、七森と麦戸が苦しみながら一歩歩むことだけで、観ている私まで慰められているような気がするのだ。

個人的にこんなに大切にしたいと思った作品ははじめてだ。七森をはじめ、ぬいサーのみんなは私の大切な存在である。(月)

ゲスト紹介

アサダアツシ 氏

Asada Atshushi

脚本家・放送作家。「ウゴウゴルーガ」(1992年)で放送作家デビュー。以降、「笑点」「エンタの神様」「週刊ストーリーランド」などのバラエティ番組、「紙兎ロペ」などのアニメ、漫画「ストレンヂフルーツ」の原作まで幅広い作品を手掛ける。近年の映像作品は企画・脚本として携わったドラマおよび映画の『カフカの東京絶望日記』(2019年)、『his』(20年)。本作 『そばかす』(22年)では、企画・原作・脚本を務めた。

金子 鈴幸 氏

Kaneko Suzuyuki

1992年生まれ、東京都出身。脚本家・俳優。2016年に明治大学実験劇場を母体に、「コンプソンズ」を旗揚げ。主宰を務め、作演出を手掛ける。NHK「キングダム」第3・4シリーズ、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023オープニング作品『瞼の転校生』(23年/藤田直哉監督)、『脳天パラダイス』(20年/山本政志監督)などの作品に脚本家として参加するほか、俳優としても積極的に活動している。24年1月には、コンプソンズ#12「岸辺のベストアルバム‼」を公演予定。

プログラム一覧

藤原季節氏、内田健司氏、周本絵梨香氏
藤原季節氏、林知亜季監督、義山真司氏、柾賢志氏、佐藤考哲氏、浅沼ファティ氏、石原滉也氏、毎熊克哉氏
奥浜レイラ氏(映画・音楽パーソナリティ)、高橋芳朗氏(音楽ジャーナリスト)、村山章氏(映画ライター)
佐藤浩市氏、阪本順治監督、伊藤さとり氏(映画パーソナリティ)
上田誠氏、山口淳太監督、藤谷理子氏、石田剛太氏
永田芳弘プロデューサー、矢田部吉彦氏(前東京国際映画祭ディレクター)
福島良一氏(野球解説者、メジャーリーグアナリスト)、蛭間豊章氏(報知新聞社メジャー担当記者)、久保田市郎氏(SLUGGER編集長)
千原徹也監督、川上未映子氏(作家)
木村聡志監督、莉子氏、筧美和子氏、みらん氏、森直人氏(映画評論家)
石川梵監督
鈴木仁篤監督、赤坂太輔氏(映画批評家)
赤坂太輔氏(映画批評家)
大山顕氏、佐藤大氏、稲田豊史氏、速水健朗氏、妹尾朝子氏、山内マリコ氏
亀山睦木監督、小川深彩監督、森美春監督
菊地成孔氏(音楽家/文筆家)、佐々木敦氏(思考家/HEADZ主宰)、池城美菜子氏(音楽ライター/翻訳家)
小野峻志監督とご出演者のみなさま
福永壮志監督、中井圭氏(映画解説者)
アサダアツシ氏(脚本家)、金子鈴幸氏(脚本家)
堀井綾香監督、福地桃子氏、青木柚氏