第27回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【B-6】ステージの今日と明日

11/25[土] パルテノン多摩小ホール

チケット料金

一般
前売:1,200円 / 当日:1,400円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

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タレンタイム〜優しい歌

  • Talentime
  • 2009年/マレーシア/ムヴィオラ配給/115分
  • 監督・脚本=ヤスミン・アフマド
  • 撮影=キョン・ロウ
  • 音楽=ピート・テオ
  • 出演=パメラ・チョン、マヘシュ・ジュガル・キショール、モハマド・シャフィー・ナスウィップ、ハワード・ホン・カーホウ

ストーリー

音楽コンクール“タレンタイム” (学生の芸能コンテストのこと)が開催される高校で、ピアノの上手な女子学生ムルー(P・チョン)は、耳の聞こえないマヘシュ(M・J・キショール)と恋に落ちる。マレー系、インド系、中国系……民族や宗教の違いによる葛藤も抱えながら、彼らはいよいよコンクール当日を迎える……。

コメント

この映画は複雑なマレーシアの現実をとても自然な形で伝えてくれる。最初は傍観者の視点で観ていても、映画を観終わった後は登場人物たちを親しい隣人のように思う。ああ、彼らが今幸せでいるといいなと。

人物の描き方も秀逸だ。ひとりの人間のなかにも色々な面があることを気付かせてくれる。例えば、ヒロイン・ムルー。家庭では両親の愛情を受けて育ち時に勝ち気で妹にきつくあたってしまうような「娘」としての顔を見せ、オーディションでは情感たっぷりな弾き語りで審査する先生たちを魅了し、大人びた容姿で男子高校生たちの憧れの対象にもなる。しかし、恋をしたときにはまた別な顔が現れる。

他人のすべてを知るのは困難なように、自分と違う民族・宗教について理解するのは簡単なことではない。それでも、深く知ろうとすればきっとわかりあえる、そんな希望とメッセージがこの物語に込められているように思った。

決して理想だけを追っていたのではない、ヤスミン監督の本当の優しさが今こそ身に染みる。(黒)

アイスと雨音

  • 2017年/「アイスと雨音」実行委員会製作/SPOTTED PRODUCTIONS配給/74分
  • 監督・脚本・編集=松居大悟
  • プロデューサー=行実良、阿部広太郎、直井卓俊、遠田孝一、林武志
  • 共同プロデューサー=時田曜子、吉川亜未
  • 撮影=塩谷大樹
  • 録音/MIX=戸村貴臣
  • 舞台監督=津江健太
  • 音楽=MOROHA
  • 出演=森田想、田中怜子、田中偉登、青木柚、紅甘、戸塚丈太郎、門井一将、若杉実森

ストーリー

2017年、とある小さな町で、世界の演劇シーンで注目を集めるイギリス人劇作家Simon Stephensの「MORNING」を日本初上演する予定となっていた。この戯曲は、親友が町を出ていくことをきっかけに鬱屈からの夜明けを描いたものである。

オーディションで選ばれ初舞台に意気込む少年少女たちであったが、舞台は突如中止となってしまう。「ねぇ、稽古しようよ」と、一人の少女が言い放つ――

コメント

たった数時間の演劇には、その何倍もの稽古時間がある。本番までの数か月間は上演作品に支配される。朝から晩まで稽古が続き、小屋入り期間になると劇場に缶詰め状態。戯曲が形になっていく喜びと本番が近づく焦り。当然、睡眠時間は削られ食生活は荒れ、肉体的にも精神的にも疲弊していく。そんな稽古期間を共にする人々は、仲間であり戦友であり、大きな一つの生命体のようでもあると思う。時にぶつかり、怒鳴り、怒鳴られ、もがき、苦しみ、お菓子を囲み、笑う。

この映画を観たときに感じた熱量は、稽古のそれと似ている気がする。74分間のワンカット撮影、ラップグループ・MOROHAの生演奏、一般公募で選出されたキャストたちが劇中で“生きている”ということ。戯曲の内容とともに展開されていく少年少女たちの青春を、是非あなたの目で観てほしい。まばたきすら惜しくなる、熱く、熱く、熱い映画。(志)

ゲスト紹介

松居 大悟 監督

Matsui Daigo

1985年生まれ、福岡県出身。ゴジゲン主宰、全作品の作・演出・出演を担う。2009年、NHK「ふたつのスピカ」でドラマ脚本家デビュー。その後、初監督作『アフロ田中』(12年)をはじめ、『男子高校生の日常』、『自分の事ばかりで情けなくなるよ』(ともに13年)『スイートプールサイド』(14年)『ワンダフルワールドエンド』、『私たちのハァハァ』(ともに15年)『アズミハルコは行方不明』(16年)と次々に作品を公開。クリープハイプやチャットモンチーや銀杏BOYZのMVも手がけている。

志磨 遼平 氏

Shima Ryohei

1982年生まれ、和歌山県出身。ミュージシャン・文筆家・俳優。「毛皮のマリーズ」として2011年まで活動後、翌年「ドレスコーズ」結成。シングル「Trash」(映画『苦役列車』主題歌)でデビュー。現在は志磨遼平のソロプロジェクト。これまでにアルバム6枚、シングル3枚、映像作品2枚をリリース。16年には俳優として『溺れるナイフ』、『グーグーだって猫である2 -good good the fortune cat-』に出演。

門間 雄介 氏

Monma Yusuke

編集者、ライター。元「CUT」副編集長。現在、編集・執筆で携わるのは雑誌「AERA」「BRUTUS」「CREA」「Hanako」「Harper's BAZAAR」「POPEYE」「週刊文春」、WEB「リアルサウンド映画部」など。これまで編集・執筆を手掛けた書籍に「伊坂幸太郎×山下敦弘 実験4号」「星野源 雑談集1」「二階堂ふみ アダルト」などがある。

プログラム一覧

11/18[土] パルテノン多摩大ホール
授賞式
11/18[土] パルテノン多摩小ホール
ハービー・山口氏(写真家、エッセイスト)
11/18[土] パルテノン多摩小ホール
ファミリー・デー・スペシャル・イベント
11/19[日] パルテノン多摩小ホール
11/19[日] パルテノン多摩小ホール
11/25[土] パルテノン多摩小ホール
11/25[土] パルテノン多摩小ホール
松居大悟監督、志磨遼平氏(ミュージシャン) 司会:門間雄介氏(編集者、ライター)
11/26[日] パルテノン多摩小ホール
高杉真宙氏、小林啓一監督 司会:くれい響氏(映画評論家)
11/26[日] パルテノン多摩小ホール
11/26[日] パルテノン多摩小ホール
11/18[土] ベルブホール
相澤虎之助氏(空族)、廣瀬純氏(映画批評家)
11/19[日] ベルブホール
小柳帝氏(ライター、編集者、翻訳者、フランス語講師)
11/19[日] ベルブホール
ジャッキー・エヴラール氏(「コテクール」ディレクター)、パスカル・セルヴォ監督
11/21[火] ベルブホール
11/21[火] ベルブホール
11/22[水] ベルブホール
11/22[水] ベルブホール
11/23[祝・木] ベルブホール
団地団:大山顕氏、佐藤大氏、稲田豊史氏、速水健朗氏、妹尾朝子氏、山内マリコ氏
11/23[祝・木] ベルブホール
西山真来氏、鎌田英幸氏、佐伯美波氏、川瀬陽太氏(予定)
やまだないと氏(漫画家)、虹釜太郎氏(音楽、音響)、尾上史高氏(脚本家)、井戸剛プロデューサー
11/24[金] ベルブホール
11/24[金] ベルブホール
11/25[土] ベルブホール
ホンマタカシ氏(写真家、映画監督)、タカザワケンジ氏(写真評論家、ライター)
11/25[土] ベルブホール
11/26[日] ベルブホール
酒井充子監督
11/26[日] ベルブホール
鍵和田啓介氏(ライター)、青柳文子氏(モデル・女優)
11/25[土] ヴィータホール
石塚慶生プロデューサー、入江悠監督
授賞式
11/26[日] ヴィータホール
島尾伸三氏(写真家、作家)、しまおまほ氏(エッセイスト)、越川道夫監督
11/26[日] ヴィータホール
菊地健雄監督、萩原みのり氏、久保田紗友氏、瀬田なつき監督
瀬田なつき監督、橋本愛氏、菊地健雄監督