第27回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【C-9】堀禎一監督特集

11/23[祝・木] ベルブホール

チケット料金

一般
前売:1,200円 / 当日:1,400円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

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妄想少女オタク系

  • 2007年/松竹ブロードキャスティング配給/113分 
  • 監督=堀禎一
  • プロデューサー=加藤智行、井戸剛
  • 原作=紺條夏生
  • 脚本=尾上史高、多胡由章
  • 撮影=佐久間栄一
  • 音楽=虹釜太郎
  • 出演= 甲斐麻美、中山麻聖、馬場徹、木口亜矢、滝川英治、森下悠里

ストーリー

ごく普通の男子高校生・阿部隆弘(中山)は同級生の浅井留美(甲斐)に恋をした。ところが、浅井はオタクな腐女子。BLに萌え、阿部と彼の親友・千葉俊祐(馬場)がデキているという妄想を抱いている始末。さらに、隠れ腐女子の腹黒美少女・松井曜子(木口)の横ヤリまであり、はたして阿部の想いは浅井に届くのか?

コメント

約10年前の作品だが、久しぶりに観て感じたのはオタク女子的な感覚というのはすっかり一般女子の間にも浸透したなということ。好きな男子たちが仲良くしているのを観るのが幸せという女性は結構多いのではないだろうか。

この映画では、妄想少女も、アイドル的男子も、ゲイの先輩も、隠れオタクギャルも、(仲良くなるまでに一悶着あるものの)同じ空間で楽しくたわむれている。一種のユートピア。しかし、のどかな世界だけを描いているわけではない。皆が集う美術部の教室のなかは楽園でも、その外には別の世界が広がっていることもちゃんとわかっている。だから、教室を出た少年少女たちは少し不安定だ。

後半、夏休みが始まると彼らの所在なさに比例して物語も漂い始める。浮かれたり、退屈したり、考え込んだりしながら、どこに向かっているかわからない時間を過ごすという贅沢は大人になるとなかなか味わえないけれど、彼らを見ているだけで幸福でちょっと切ない気分になる。(黒)

夏の娘たち ~ひめごと~

  • 2017年/インターフィルム配給/75分 
  • 監督・脚本=堀禎一
  • 製作=高津戸顕、森田一人、朝倉大介
  • 脚本=尾上史高
  • 撮影/照明/録音=渡邉寿岳
  • 音楽/音響/整音=虹釜太郎
  • 出演= 西山真来、鎌田英幸、松浦祐也、志水季里子、下元史朗、速水今日子、佐伯美波、和田みさ 、櫻井拓也、小林節彦、川瀬陽太 、外波山文明
この作品は15歳未満の方のご鑑賞はできません
予告編

ストーリー

山あいの小さな町に直美(西山)は養父の最期を看取りに戻って来た。義理の弟・裕之(鎌田)との再会は二人の間に秘密の過去を蘇らせる。彼らは姉と弟の関係を越えて男女の仲に至っていた。裕之への愛を再燃させた直美だったが、やはりこの町に戻って来た幼なじみの義雄(松浦)を前に思いは乱れる……。長く止まっていた時間が動き出し、人間関係が変わり始める。それは自ら運命を選択する女たちのひと夏の物語。

コメント

本作は信州の緑鮮やかな夏を舞台に、家同士のつながりが濃い地域の人間模様を描き、田舎の今は亡き祖父母を思い出した。播州の祖父母も人里離れた山奥で暮らし、親類縁者や地域の家族関係は頭に入っていた。男女の込み入った事情も周知のことで、それらをひっくるめたおおらかさは何だろうと子どもながらに戸惑った感覚も蘇る。

30歳をすぎて故郷に戻った直美、妹の亜季、飲み屋で働く麗奈(Tバックの鮮やかさよ)、旅館を営む直美の母、直美の義母など各年代の女のたくましさやしなやかさとともに、女たちの手のひらで転がされているような男たちの女々しさや憎めなさに心情を察してしまう。劇中では、人の生死や絡み合う血縁、まぐわう男女と心変わり、葬式と結婚式という混沌や汗がだくだくと流れていく。直美は義雄のことを「変な人」とつぶやいたが、劇中の音やカメラも特異な印象である。旅館の客間、三味線で「春雨」を弾く義雄と歌う直美。厨房で料理をする女将の母も聞こえてきた歌にあわせ、遠くで蝉の声。子どもに戻ったかのように川遊びする男女6人の声をかき消す川の音の存在感。

これからも堀監督の多様な作品に新たな観客たちが出会うことを願って……(内)

ゲスト紹介

やまだ ないと 氏

Yamada Naito

1965年生まれ、佐賀県唐津市出身。漫画家。90年「週刊ヤングマガジン」にて「キッス」で連載デビュー。代表作に「東京座」「コーデュロイ」「西荻夫婦」、映画化もされた「フレンチ・ドレッシング」、「ラマン」、「王様とボク」、映画感想集「ハルヒマヒネマ」、テレビドラマ「私立探偵濱マイク」(10話脚本)。堀禎一監督とは2015年「ユリイカ特集=マンガ実写映画の世界」誌上で対談、『夏の娘たち~ひめごと~』のポスターを手掛けた。

虹釜太郎 氏

Nijikamataro

映画音楽に『妄想少女オタク系』『憐 REN』『ストロベリーショートケイクス』ほか。『夏の娘たち ~ひめごと~』では音楽/音響/整音を手がけた。著書に「カレー野獣館」。

尾上 史高 氏

Onoue Fumitaka

1970年生まれ、奈良県出身。「月刊シナリオ」誌の第2回「ピンク映画シナリオ募集」で『草叢』が準入選。05年、映画化される(公開題『不倫団地かなしいイロやねん』監督:堀禎一)。ほか、脚本として参加した堀禎一監督作品として、07年『笑い虫』(公開題『色情団地妻 ダブル失神』)、『妄想少女オタク系』、08年『憐Ren』、17年『夏の娘たち ~ひめごと~』がある。

井戸 剛 氏

Ido Tsuyoshi

1980年代に森重樹一(ZIGGY)、ROLLY(すかんち)といった当時無名の天才に出会い、インディーズで自ら手がけるも、メジャーステップアップ時には関わらず、映像の世界へ転身。98年よりオタク専門制作会社OTC創立(その後ベドラムに改名)。日本初のオタク情報バラエティ番組制作、フラッシュRPG開発、などジャンル無差別に独自の映像を制作、2005年からは堀禎一監督との青春映画を制作し、濃密な時を過ごす。現在フランスで日本コンテンツの普及にも携わる。

プログラム一覧

11/18[土] パルテノン多摩大ホール
授賞式
11/18[土] パルテノン多摩小ホール
ハービー・山口氏(写真家、エッセイスト)
11/18[土] パルテノン多摩小ホール
ファミリー・デー・スペシャル・イベント
11/19[日] パルテノン多摩小ホール
11/19[日] パルテノン多摩小ホール
11/25[土] パルテノン多摩小ホール
11/25[土] パルテノン多摩小ホール
松居大悟監督、志磨遼平氏(ミュージシャン) 司会:門間雄介氏(編集者、ライター)
11/26[日] パルテノン多摩小ホール
高杉真宙氏、小林啓一監督 司会:くれい響氏(映画評論家)
11/26[日] パルテノン多摩小ホール
11/26[日] パルテノン多摩小ホール
11/18[土] ベルブホール
相澤虎之助氏(空族)、廣瀬純氏(映画批評家)
11/19[日] ベルブホール
小柳帝氏(ライター、編集者、翻訳者、フランス語講師)
11/19[日] ベルブホール
ジャッキー・エヴラール氏(「コテクール」ディレクター)、パスカル・セルヴォ監督
11/21[火] ベルブホール
11/21[火] ベルブホール
11/22[水] ベルブホール
11/22[水] ベルブホール
11/23[祝・木] ベルブホール
団地団:大山顕氏、佐藤大氏、稲田豊史氏、速水健朗氏、妹尾朝子氏、山内マリコ氏
11/23[祝・木] ベルブホール
西山真来氏、鎌田英幸氏、佐伯美波氏、川瀬陽太氏(予定)
やまだないと氏(漫画家)、虹釜太郎氏(音楽、音響)、尾上史高氏(脚本家)、井戸剛プロデューサー
11/24[金] ベルブホール
11/24[金] ベルブホール
11/25[土] ベルブホール
ホンマタカシ氏(写真家、映画監督)、タカザワケンジ氏(写真評論家、ライター)
11/25[土] ベルブホール
11/26[日] ベルブホール
酒井充子監督
11/26[日] ベルブホール
鍵和田啓介氏(ライター)、青柳文子氏(モデル・女優)
11/25[土] ヴィータホール
石塚慶生プロデューサー、入江悠監督
授賞式
11/26[日] ヴィータホール
島尾伸三氏(写真家、作家)、しまおまほ氏(エッセイスト)、越川道夫監督
11/26[日] ヴィータホール
菊地健雄監督、萩原みのり氏、久保田紗友氏、瀬田なつき監督
瀬田なつき監督、橋本愛氏、菊地健雄監督