第29回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【B-2】スクリーンに映える魅惑の役者 成田凌

11/23[祝・土] パルテノン多摩小ホール

チケット料金

一般
前売:1,500円 / 当日:1,800円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

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さよならくちびる

  • 2019年/「さよならくちびる」製作委員会/ギャガ配給/116分
  • 監督・脚本・原案=塩田明彦
  • プロデューサー=根岸洋之、根岸尚子
  • 撮影=四宮秀俊
  • 美術=竹内公一
  • 編集=佐藤崇
  • 音楽プロデューサー=北原京子
  • 音楽=きだしゅんすけ
  • 出演=小松菜奈、門脇麦、成田凌、篠山輝信、松本まりか、新谷ゆづみ、日高麻鈴、青柳尊哉、松浦祐也、篠原ゆき子、マキタスポーツ

ストーリー

インディーズで人気を浴び始めた女性デュオ「ハルレオ」のハル(門脇)とレオ(小松)だが、ローディー兼マネージャーのシマ(成田)が参加していくことで徐々に関係をこじらせていた。「二人とも本当に解散の決心は変わらないんだな?」全国7都市を回るツアーへの出発の朝、車に乗り込んだハルとレオにシマが確認する。

コメント

荒々しく車の扉がしまる音。もくもくと漂う煙草の煙。解散ライブを控えたハルレオの最後のツアーが始まるところから映画は動き出す。怠惰のなか旅が始まったというのにいざステージに立つと息がそろい、ハルレオが歌うことに何の違和感もない。埃っぽいライブハウスのなかで期待と喜びに満ちた観客と終始クールなハルレオ、その後ろでひっそりと2人をアシストするシマ。ライブハウスに漂う空気感がリアリティを持って伝わり、以前好きなアーティストのライブへ通ったことを思い出した。

不器用な2人は“解散”というただ1つ合意した未来を意地でも変えようとしない。大切だと思っているのにうまく甘えることが出来ずにいたり、互いに自分にないものに憧れを持ちながらも素直になれないといった裏腹な気持ちが表情の隙間に見え隠れし、変わらないでいることの難しさを感じさせた。また、2人の澄んだ歌声とアコースティックギターの音色をぜひスクリーン越しに聴いてほしい。(北)

愛がなんだ

  • 2019年/映画「愛がなんだ」製作委員会製作/エレファントハウス配給/123分
  • 監督・脚本=今泉力哉
  • プロデューサー=前原美野里、新村裕、村田亮
  • 原作=角田光代「愛がなんだ」(角川文庫)
  • 脚本=澤井香織
  • 音楽=ゲイリー芦屋
  • 撮影=岩永洋
  • 美術=禪洲幸久
  • 編集=佐藤崇
  • 出演=岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也、穂志もえか、中島歩、片岡礼子、筒井真理子、江口のりこ

ストーリー

マモちゃん(成田)のことが好きなテルコ(岸井)は、いつ連絡が来てもいいよう遅くまで会社に残りマモちゃんからの連絡を待つ毎日。だけどマモちゃんはテルコとは真逆のタイプのすみれ(江口)に憧れている。自分のことを好きじゃなくてもいい、ただマモちゃんの側にいたい……正解がないからこそ難しい、片想いの物語。

コメント

生活のすべてをマモちゃん優先で生きているテルコと、都合よく自分に合わせてくれるテルコとの関係をはっきりさせないマモちゃん。好きな人が連絡をくれて会いたいと思ってくれること。たとえそれが「単なる暇つぶしに丁度いい相手として」だったとしてもテルコに断る理由はない。客観的に見ればマモちゃんとの関係を終わらせて次の恋愛に踏み出すべきだとテルコ自身も分かっていると思う。しかし、恋愛において自分のことを客観的に考えられる人はほとんどいないのではないだろうか。テルコの最優先事項は、関係性が変わることでマモちゃんに会えなくなるのを避けること、マモちゃんと会えるチャンスを逃さず呼ばれたらすぐに駆けつけること。恋人になれなかったとしてもマモちゃんと過ごせることはテルコにとって最高の幸せなのだ。そんなテルコのことを馬鹿だなぁと思いつつ、順調には進まない恋愛を必死にまっとうするその人間くささに共感してしまう。(佐小)

ゲスト紹介

成田 凌 氏

Narita Ryo

1993年生まれ、埼玉県出身。2014年に連続ドラマ「FLASHBACK」で俳優デビューを果たし、映画『飛べないコトリとメリーゴーランド』(15年)で映画初出演。以降、TV ドラマ、映画に数多く出演し、18年に『スマホを落としただけなのに』、『ビブリア古書堂の事件手帖』で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。本年は『愛がなんだ』『チワワちゃん』『さよならくちびる』など、すでに5作品が公開。12月に『カツベン!』、来年『窮鼠はチーズの夢を見る』などの公開が控えている。

今泉 力哉 監督

Imaizumi Rikiya

1981年生まれ、福島県出身。2009 年『最低』で第10回TAMA NEW WAVEグランプリ受賞。2010年『たまの映画』で商業監督デビュー。代表作に『サッドティー』(13年)、『知らない、ふたり』(16年)など。18年『パンとバスと2度目のハツコイ』で第10回TAMA映画賞最優秀新進監督賞を受賞。本年は4月公開の『愛がなんだ』が大ヒットを記録。最新作『アイネクライネナハトムジーク』も絶賛公開中。公開待機作に田中圭主演の『mellow』、宮沢氷魚主演の『his』、若葉竜也主演の『街の上で』(以上20年公開予定)がある。

木村 和平 氏

Kimura Kazuhei

1993年生まれ、福島県いわき市出身。写真家。2012年より写真を撮り始め、以来作品制作とクライアントワークを並行する形で活動している。幼少期の記憶と新しい体験を行き来するように制作を続け、これまでに4冊の写真集を発表。最新作は19年の「灯台」。『愛がなんだ』ではメインビジュアルと劇中写真を手がけている。

プログラム一覧

成田凌氏、今泉力哉監督、木村和平氏(写真家)
前田敦子氏、黒沢清監督
河村光庸プロデューサー 松崎健夫氏(映画評論家)※ビデオメッセージあり(シム・ウンギョン氏、藤井道人監督)
山戸結希監督、志磨遼平氏(ドレスコーズ)
横尾初喜監督、井浦新氏
鈴木卓爾監督、あがた森魚氏(ミュージシャン)、井浦新氏、大森元気氏
鈴木洋平監督、柳英里紗氏、杉原永純氏(元YCAMキュレーター、映画キュレーター、プロデューサー)
アンジャリ<八尋美樹>氏(インド楽しいこと案内人)
佐藤零郎監督、渥美喜子氏(gojo/映画ライター・シネ砦集団代表)
中原仁氏(音楽プロデューサー)
石井達也監督、根矢涼香氏、松崎健夫氏(映画評論家)
寺尾紗穂氏(音楽家・文筆家、「原発労働者」著者)
丸山昇一氏(脚本家)
杉田協士監督、宮崎大祐監督
団地団
坂本浩一監督、山本千尋氏
今泉力哉監督、北條誠人氏(ユーロスペース支配人)
長久允監督、奥山大史監督
宇賀那健一監督、山口明氏(デザイナー)