第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【B-4】TAMA映画賞特別賞受賞記念特集上映

11/20[日] パルテノン多摩小ホール
  • 13:30-15:28
  • 15:40-16:20
    トーク
    ゲスト:狩山俊輔監督、鶴谷香央理氏(原作者)
    聞き手:中井圭氏(映画解説者)
  • 16:35-18:26
  • 18:35-19:15
    トーク
    ゲスト:小林啓一監督
    聞き手:中井圭氏(映画解説者)
チケット情報

チケット料金

一般
前売:1,500円 / 当日:1,800円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

▼インターネットで購入

PassMarket

▼窓口で購入

多摩市立永山公民館(ベルブ永山)

取扱時間:9:00〜17:00
※祝日と休館日(第1・第3木曜)を除く

多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ)

取扱時間:9:00〜17:00
※祝日と休館日(第1・第3月曜)を除く

パルテノン多摩 総合窓口(【B-1】~【B-8】のみお取扱い)

取扱時間:10:00~19:00
※休館日の11月1日(火)を除く
※インターネット予約と電話予約は対象外
会場アクセス

パルテノン多摩 小ホール

〒206-0033 東京都多摩市落合2-35
小田急多摩線/京王相模原線/多摩都市モノレール「多摩センター駅」より徒歩5分。(パルテノン大通りを直進)

メタモルフォーゼの縁側

  • 2022年/「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会製作/日活配給/118分
  • 監督=狩山俊輔
  • 原作=鶴谷香央理(「メタモルフォーゼの縁側」KADOKAWA)
  • 脚本=岡田惠和
  • プロデューサー=河野英裕、谷戸豊、大倉寛子
  • 撮影=谷康生
  • 音楽=T字路s
  • 劇中漫画=じゃのめ、鶴谷香央理
  • 編集=木村悦子
  • 出演=芦田愛菜、宮本信子、高橋恭平(なにわ男子)、古川琴音

ストーリー

みんなみたいにキラキラできない17歳のうらら(芦田)の楽しみはこっそりBL漫画を読むこと。夫に先立たれた75歳の雪(宮本)は、本屋で綺麗な表紙の絵柄に惹かれ1冊のBL作品を、内容を知らぬまま手に取った。雪はBLの恋物語に魅了され度々うららがバイトする本屋に向かい……。年の差58歳の二人は、イベント参加など共通の「好きなもの」を通じて交流を深めていく。

コメント

本作を観終わって映画館を出た瞬間、真夏の厳しい日差しも柔らかくなったような気がした。「やさしい」と「あたたかい」と「かわいい」が混ざりあって胸がいっぱいになった。登場人物はみんなまっすぐでやさしい、悲しい出来事は一個もないのに、少し泣いた。いや、大泣き。年齢も立場も違う二人が純粋な「好きという気持ち」によって出会うこと自体が、もう奇跡。ボーイズラブの尊さに対する「好き」を通じて、うららちゃんと雪さんが出会った。この二人の出会いに対して、私もまた尊さを感じ、新たな「好き」が生じた。

「好きという気持ち」のチカラは世界を救えないかもしれないが、うららに勇気を与えることができる、そしてちょっとだけ人を優しくすることもできる。今度のTAMA映画祭でもう一度本作を観て、パルテノン多摩小ホールを出た時に、晩秋の肌寒い空気がほんの少し暖かくなればいいなと、そう願う。(Z)

ゲスト紹介

狩山 俊輔 監督

Kariyama Shunsuke

1977年生まれ、大阪府出身。「奇跡の人」(2016年)で第71回文化庁芸術祭賞テレビ・ドラマ部門大賞など受賞。「泣くな、はらちゃん」(13年)、「生田家の朝」(18年)、「知らなくていいコト」(20年)、「ムチャブリ! わたしが社長になるなんて」「祈りのカルテ 研修医の謎解き診察記録」(いずれも22年)など数々のドラマの演出を手がける。映画監督作品は『妖怪人間ベム』(12年)、『青くて痛くて脆い』(20年)など。

鶴谷 香央理 氏

Tsurutani Kaori

1982年生まれ、富山県出身。2007年に「おおきな台所」でデビューし、同作品で第52回ちばてつや賞準大賞を受賞。16年より「don't like this」初連載。翌17年から20年まで「メタモルフォーゼの縁側」を「コミックNewtype」にて連載、「このマンガがすごい! 2019」(宝島社)オンナ編1位や「第22回文化庁メディア芸術祭」マンガ部門 新人賞を獲得。

中井 圭 氏

Nakai Kei

兵庫県生まれ。映画解説者。WOWOW「映画工房」、シネマトゥデイ「はみだし映画工房」、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」ほか、TV、ラジオ、雑誌、新聞、WEBなどで映画解説を展開中。「スティーヴン・スピルバーグ 映画の子」(KAWADEムック)、「森田芳光全映画」(リトルモア)などに寄稿。関心のないことに関心を持てる若い人材を育成するため「偶然の学校」の代表、社会を前進させるための情報発信を行う新メディア「あしたメディア」の企画担当など多面的に活動中。

恋は光

  • 2022年/映画「恋は光」製作委員会製作/ハピネットファントム・スタジオ、KADOKAWA配給/111分
  • 監督・脚本=小林啓一
  • 原作=秋★枝
  • エグゼクティブプロデューサー:小西啓介
  • プロデューサー=滝田和人、青木真代、松嶋翔
  • 撮影=野村昌平
  • 音楽=野村卓史
  • 絵画制作=市川知美
  • 出演=神尾楓珠、西野七瀬、平祐奈、馬場ふみか、伊東蒼、宮下咲、花岡咲、森日菜美、山田愛奈、田中壮太郎

ストーリー

恋をしている女性が光って視える西条(神尾)は、文学女子東雲(平)に一目惚れをし、一緒に恋の定義を考えることに。西条への想いを胸に秘める北代(西野)と略奪に恋する宿木(馬場)も巻き込み、不思議な四角関係が始まる。4人の恋、想いはどう変化していくのか、それぞれの恋は見つかるのか……。

コメント

「恋とは、誰しもが語れるが、誰しもが正しく語れないものである」

何てしっくりくる言葉だろうと、感銘を受けた。一見、非現実的な物語で一歩引いてしまいそうだが、軽快な会話のテンポや独特なセリフ回し、そして終始広がるエモいロケーションにスッと惹き込まれた。文学的とコメディが絶妙……!さらに、出演者それぞれが個性的で、「ほろ苦い」「甘酸っぱい」と表現される恋に対して、悩みながらも時には素直に突き進む。そのひたむきさが胸を打ち、すべての登場人物が愛おしい。

いつの間にか一緒になって恋とは何か考え、友だちの恋を応援しているような気持ちに。「恋とは?」その問いに正解はないが、これからは辞書で「恋」を引くとこの作品の名前が出てくるように、みんなに観てほしいと思う。一人ひとりが持つさまざまな想いをも包み込み、観終わった後「今日はスキップして帰ろう」みたいな楽しい映画体験ができるに違いない。西条のように「恋の光」は見えなくとも、恋をしている人は輝いている。―あなたもきっと、恋がしたくなる―(怜陽)

ゲスト紹介

小林 啓一 監督

Yoshino Kohei

1972年生まれ、千葉県出身。監督、脚本、撮影を担当した『ももいろそらを』(2011年)で長編映画デビュー。第24回東京国際映画祭日本映画・ある視点部門で作品賞、第50回ヒホン国際映画祭で日本映画として初のグランプリを受賞。続く長編『ぼんとリンちゃん』(14年)では第55回日本映画監督協会新人賞などを受賞。その後は『逆光の頃』(17年)、『殺さない彼と死なない彼女』(19年)など漫画原作を監督、脚本した。

中井 圭 氏

Nakai Kei

兵庫県生まれ。映画解説者。WOWOW「映画工房」、シネマトゥデイ「はみだし映画工房」、BRUTUS「30人のシネマコンシェルジュ」ほか、TV、ラジオ、雑誌、新聞、WEBなどで映画解説を展開中。「スティーヴン・スピルバーグ 映画の子」(KAWADEムック)、「森田芳光全映画」(リトルモア)などに寄稿。関心のないことに関心を持てる若い人材を育成するため「偶然の学校」の代表、社会を前進させるための情報発信を行う新メディア「あしたメディア」の企画担当など多面的に活動中。

プログラム一覧

白鳥玉季氏 李相日監督
磯村勇斗氏 伊藤さとり氏(映画パーソナリティ)
狩山俊輔監督 鶴谷香央理氏(原作者) 中井圭氏(映画解説者)
小林啓一監督 中井圭氏(映画解説者)
早川千絵監督 金原由佳氏(映画ジャーナリスト)
森井勇佑監督 大沢一菜氏 青葉市子氏(音楽家)
山口路子氏(作家)
安川有果監督 小原治氏(ポレポレ東中野スタッフ)
杉田協士監督 東直子氏(歌人) 荒木知佳氏
川北ゆめき監督 いまおかしんじ氏(本作脚本) 青木柚氏 中村守里氏
いまおかしんじ氏(本作脚本) 小出恵介氏 日高七海氏 森直人氏(映画評論家)
斉加尚代監督 志田陽子氏(武蔵野美術大学教授)
伊藤春奈氏(花束書房) 水上文氏(文筆家)
宇田川幸洋氏(映画評論家)
山野晃プロデューサー 片山慎三監督 松崎健夫氏(映画評論家)
鈴木卓爾氏 翁華栄氏 さとうこうじ氏 鈴木秀幸氏(共同脚本)
西垣吉春監督
大山顕氏 佐藤大氏 稲田豊史氏 速水健朗氏 妹尾朝子氏 山内マリコ氏 久保寺健彦氏
平一紘監督 玉代㔟圭司氏 平隆人氏 南里美希氏