第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM
多摩市立永山公民館(ベルブ永山)
多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ)
平凡さを嫌う自分勝手で変わり者な器械体操部の“ボク”こと山南くん(青木)と、普通に生きる同じ部活のまなみちゃん(中村)の愛と青春の10年間が描かれる。
まだ、高校生だったその日、器械体操部の僕たち男子は、まなみちゃんの所属する女子部員と対立していた。彼女たちは文化祭の出し物である合唱の練習があると言って器材の準備に来なかったのだ゙。抗議した僕たちだったが、それが原因で部活が停止になりかけた。あれから10 年――。
本作、美しくも儚い映像とエモーショナルな演出で等身大の青春を描いてきた川北ゆめき監督が満を持して自身の経験をもとに10年間を描いた。
大好きで大好きで大好きだった人。だけではなく、10代20代の濃密な時間のなかで好きだったすべての人たちを思い出し、切なくなる。
昔に未練を持ちつつ、もう戻らないあの時間。
監督が、出演者が、製作陣が、そしてこの作品を観たお客さんが今、そして10年後にも自身の10代20代をこの作品とともに思い出して欲しいなと思った。 (YA)
1994年生まれ、神奈川県横浜市出身。中央大学入学と同時に映像制作を始める。中編映画『変わらないで。百日草』が、TAMA NEW WAVEやカナザワ映画祭などの多くの映画祭で入選。2018年に監督した長編映画『満月の夜には思い出して』は、MOOSIC LAB 長編コンペティション部門に出品され、音楽を担当した大槻美奈が特別賞を受賞した。同作は、19年に池袋シネマ・ロサ、京都出町座などで劇場公開された。
1965年⽣まれ、⼤阪府出⾝。映画監督。瀬々敬久、神代⾠⺒らの助監督を経て『彗星まち』(95年)で監督デビュー。代表作は『たまもの』(2004年)『つぐない 新宿ゴールデン街の⼥』(14年)『あなたを待っています』(16年)『れいこいるか』(20年)(映画芸術ベストテン第1位)など。『苦役列⾞』(12年)の脚本や『あの頃。』(21年)の出演でも活躍。22年には監督作品が立て続けに公開され、なかでも『神田川のふたり』は高い評価を得ている。
2001年生まれ、神奈川県出身。16年『14の夜』で映画デビュー。以降、『アイスと雨音』『暗闇』『サクリファイス』などに出演。21年は『うみべの女の子』『スパゲティコード・ラブ』が公開され、W主演を務めた『うみべの女の子』では第76回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞にノミネート。同年米映画『MINAMATA』ではジョニー・デップと共演が話題に。「きれいのくに」「プロミス・シンデレラ」ほかドラマの出演も続き、朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」に3代目ヒロインの弟・桃太郎役で出演。22年はWEBドラマ「モアザンワーズ/More Than Words」、『はだかのゆめ』と話題作への出演が続く。
2003年生まれ、東京都出身。舞台「清らかな水のように〜私たちの1945〜」にて14歳で女優デビュー。主演映画『書くが、まま』(18年、上村奈帆監督)の演技でMOOSIC LAB2018において最年少で最優秀女優賞を受賞。主な出演作として、映画では『アルプススタンドのはしの方』(20年、城定秀夫監督)、オムニバス映画『DIVOC-12』の一篇「YEN」(21年、山嵜晋平監督)、テレビでは「超速パラヒーローガンディーン」(辻本貴剛監督)、「美しい波」(酒井麻衣監督)、「天才てれびくんhello」、CM「中国電力」、小学館「小コレ!」など。