第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM
多摩市立永山公民館(ベルブ永山)
多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ)
パルテノン多摩 総合窓口(【B-1】~【B-8】のみお取扱い)
永遠の妖精と呼ばれ、美の概念を変えた革新的な存在でスターとしての名声を得たオードリー。世界中から「愛された」彼女は一方、実生活では愛に恵まれなかった。しかし、「人生の最後に、自分のことを好きになれた」と語る彼女の本当の人生とは―。今解き明かされるオードリーの生き方は、あなただけの幸せを見つけてくれる。
オードリーが旅立って30年が過ぎ去ろうとしている今、名声に隠された本当の姿を描く、初のドキュメンタリー映画が公開された。自分のことを多くは語らなかったオードリー。そんな彼女に迫る作品は大変貴重である。そして、作中のオードリー出演作品やテレビ番組の中で見せるチャーミングな表情は、何度見ても心惹かれる。
本作は、本当のオードリーを知る家族、今や数少ないヘプバーンと関わりのあった友人やその子供たち、監督、共演者などのインタビューで解き明かしていく。伝記や書籍でオードリーの言葉を目にすることはあったが、実際に映像で話している姿を見るとより心に響くものがある。特に晩年、ユニセフで世界中の恵まれない子どもたちのために尽力するオードリーや子どもたちの姿には胸が打たれる。今も世界中で紛争が続いていることに彼女はきっと心を痛めているだろう。私たちも何かできることをしなければと思い起こさせる力がある。(未)
今では倦怠期を迎えたふたり、建築家マーク(A・フィニー)と美しい妻ジョアンナ(A・ヘップバーン)は、馴れ初めの地フランスを自動車旅行していた。ふたりは12年前、ヒッチハイクをして知り合い、一緒にフランス国内を歩くうち、恋におち、結ばれたのであった。ふたりの12年間の軌跡を描いたロード・ムービー。
劇中では倦怠期を迎えたふたりが描かれているが、撮影中のふたりはよくしゃべり、冗談を言い合い笑っていたそうだ。車中のシーンではふたりともよく吹き出し、何度も撮り直したと言われている。撮影現場の明るい様子やオードリーが本作の自身の演技を「良い」と評価していることもあり、オードリーファンとしては映画を観る前から好印象だった。そして、期待を裏切らない何度も観たくなる作品である。
また、12年間それぞれの時代を表した車やファッションが作品の魅力の1つになっており、ジバンシィの衣装を封印し1960年代の最先端の衣装を着こなす新たなオードリールックも必見である。
作中でマークは度々パスポートをなくしたといって騒ぎ出し、ジョアンナは毎回すかさず彼にパスポートを差し出す。マークの子どもっぽさや彼女を信頼している様子、ジョアンナの母性や茶目っ気、パスポートのやり取りにその時々のふたりの関係性がぎゅっと詰まっているのがたまらない。(未)
1966年生まれ。作家。美術エッセイ、小説、「生き方シリーズ」「読むことで美しくなる本シリーズ」など著書多数。オードリーについての著書は「それでもあなたは美しい~オードリー・ヘップバーンという生き方」(ブルーモーメント)、「オードリー・ヘップバーンの言葉」(大和書房)があり、多くの人の共感を呼び版を重ねている。