第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM
多摩市立永山公民館(ベルブ永山)
多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ)
パルテノン多摩 総合窓口(【B-1】~【B-8】のみお取扱い)
ある日、野原家を屁祖隠ちよめと5才の珍蔵の母子が訪れ、5年前に病院のミスで子どもの取り違えが起きてしまったと告げる。その夜、珍蔵と間違われたしんのすけは、ちよめと共に忍者の里へ連れ去られ、そこで地球のエネルギーが噴き出す「地球のへそ」の栓を守る「もののけの術」を会得するため、忍者幼稚園に通うことになってしまう。
映画化30周年記念作品ということで、「しんのすけ」の名前の由来が語られるところからスタート。親子愛をメインテーマにギャグをこれでもかと盛り込んだ涙と笑いに満たされる1本となっている。
何でも背負い込もうとするちよめに向けた「素直に『助けて』って言えばいいの」と言うみさえのメッセージや、術の副作用でゴリラになったちよめの夫=仕事一筋で話が通じないお父さんのメタファーと、ストーリーは割と大人目線で作られている。一番の見どころは、忍者の里で家族から「しんのすけ」と呼ばれた時のことを一つ一つ思い出すシーンだった。
一方で、モノボケの術、ハラノ・シタゲー博士のギャランドゥ、ジジイが5人で5Gなど、ギャグが相変わらずキレキレで、劇場にいた子どもたちから何度も笑い声が上がっていた。ひまわりの出したもののけの正体(と声優)がわかった瞬間は、「くだらない」と笑いを漏らしつつ、伏線回収の鮮やかさに感心してしまった。(理)
悪党集団“ヴィシャス・シックス”に憧れている11歳のグルー少年。ところがそのリーダー、ワイルド・ナックルズは仲間の裏切りにあい、谷底へ……。欠員募集をするヴィシャス・シックスに名乗りを上げるグルーだったが、子どものくせにと笑われた悔しさで彼らが盗んだ伝説の石ゾディアック・ストーンを盗んでしまう!
少しややこしいが、『ミニオンズ』シリーズとしてはこれが『ミニオンズ』に続く2作目。残り3作は『怪盗グルー』シリーズである。
これら5作品を通じて活躍(いや邪魔?)するのが、皆さん一度は目にしたことがあるミニオンたち。これがどうしようもなく愛すべきアホの子たちなのだ。助けにいこうとするはずが、かえってドツボにはまったり、横道にそれてしまったり。ああ、かわいい。ほぼ何を言っているかわからない「ミニオン語」が字幕もなく進むからこそ、表情や動きだけで面白さが伝わり、言葉や年齢を超えて万人が楽しめる。大仰に言ってしまえば、サイレント映画のスラップスティック・コメディ的な面白さもあるのだ、多分。
シリーズ2作目だが、5作品の時系列で言うと怪盗グルーとミニオンの出会いの物語なので、むしろここから入るのもあり寄りのあり!(お)