第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM
多摩市立永山公民館(ベルブ永山)
多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ)
主人公、町田真は音楽好きの13歳。日本人の母、アメリカ人の父を持つ彼は周りと容姿が少し違うことから「ガイジン」と呼ばれ、学校でいじめられている。ある日、真はふと立ち寄った教会で憧れのジェームス・バックマンと出会う。始めは、言語も通じ合わない二人だったが、ダンスや“ SOUL POWER ”という言葉を通して、次第にソウルメイトとなっていく……。
思春期の子どもたちにとって「人と違う」ということはとても大きな問題だったと自分の学生時代を振り返るとよく思います。この映画では「ハーフの男の子」という見た目での違いがありますが、同じ日本人同士でもそれぞれに個性があり、考え方の違いがあります。このような、人々が持つ様々な「違い」というのを優しく認めたいという思いで制作しました。ぜひ楽しんで頂ければ幸いです。
1998年生まれ、兵庫県出身。神戸芸術大学映画コースに入学後、自主制作にて短編『MY HERO』(2019年)や中編『コネクトリップ』(20年)を監督。友人と映像制作グループ「Whale Films」を立ち上げ、広告映像をメインにMV、短編映画、WebCMなどを制作してきた。現在、大阪で映像制作DASHスタジオの代表を務め、12月にカナダ留学を控える。
僕は田中晋平、息子の開と二人暮らしだ。僕は社会に出て、いろんなことを知りたい。だからデリヘルドライバーの仕事を始めた。そこで気になる異性に出会うことも出来た。名前はミサキさん、彼女は妖精がみえるらしい。そして僕は秘密の組織の情報を知っている。だから高架下の犯人のことも。なのにどうしてみんな僕の邪魔をするんだろう? 誰も僕の邪魔をするな、僕は思うままに生きたい。
障がいや病気の有無、性的指向の如何にかかわらず、自分らしく生きるというのは、今の世の中ではなかなか難しいなと思っています。孤独を抱え、性愛を混同しがちな私たちに必要なことは何なのか。どうか最後までご鑑賞頂ければ幸いです。
1988年生まれ、愛知県出身。大学卒業後、知的障がいを抱える子どもらの療育施設に従事。その後、都内にて精神障がいを抱える大人の支援に分野を広げつつ、一眼制作シネマ・平良良樹氏の協力のもと映像制作を始める。本作品が初長編監督作品。現在は脚本執筆と合わせて、ホワイトハンズ代表・坂爪真吾氏に師事し、壮年期と精神障がいの性をテーマとした新書執筆にも取り組む。
家族の反対を押し切り映画活動で一旗上げようと上京した朔(さく)だったが、道半ばで、飛び出した実家の旅館へと突然帰ってきた。しかし技能実習生のフエが朔の代わりに働きに来ていたことで、あるはずの自分の居場所はすでになくなっているようであった。これからの生き方を模索しなくてはならない朔はフエや家族と交流していくうちに前を向いて生きていく強さを静かに取り戻していく―。
僕は競争に負けてきた人生を過ごしてきました。小1からサッカーを始め、大2までの(映像に出会うまで)14年間はずっとベンチ(か応援席)。競争に負けた人々はどう自分らしい人生を取り戻していくのか。そこに強い興味があり、アイデンティティの喪失からの再構築を描くことをテーマに据えました。ふとすれば見逃してしまう静かな変化を湖の波音と共に感じていただけたらと思います。
1996年生まれ、静岡県出身。大学2年のころに独学で映像制作を習得。以来映画をはじめ、MV・WebCMなど幅を広げて活動している。原案を担当した難波弘二監督作『ワクラバ』(2019年)が第21回TAMA NEW WAVEある視点部門に選出。
サラリーマンの男はある決意をする。ある日、男は一人の青年がひったくりをする現場を目撃する。男は青年に声をかけ、多額の報酬を渡す代わりに、ある場所へ送ってほしいと依頼する。渋々青年は承諾し、二人の奇妙なドライブが始まるが……。
死んでしまいたいことと生き抜くこと。そんな思いをふと考えてしまうことがあります。僕は人生のなかで最も大切なことは、優しくなることだと思っています。本当の意味で優しくなることとはどういうことなのだろうかとずっと考えていますが、分かりません。どん底な自分の人生を光に変えるためにも、そして優しくなるためにも。そんな思いもあり、製作しました。
1996年生まれ、神奈川県出身。20歳の頃に俳優を志す。全て独学で製作した初監督である今作『J005311』はぴあフィルムフェスティバル2022にてグランプリを受賞。俳優として主な出演作に『スペシャルアクターズ』(2019年)、『望み』(20年)、『由宇子の天秤』(21年)など。