第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM
「【A-1】第14回TAMA映画賞授賞式」チケットは、予定枚数に達したため、窓口での先着販売を終了しました。
多摩市立永山公民館(ベルブ永山)
多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ)
パルテノン多摩 総合窓口(【A-1】および【B-1】~【B-8】のみお取扱い)
新人アニメーション監督・斎藤瞳(吉岡)は、デビュー作で憧れの天才監督・王子千晴(中村)と業界の覇権をかけて争うことに。王子は過去にメガヒット作品を生み出したものの、その過剰なほどのこだわりとわがままぶりが災いして降板が続いていた。プロデューサーの有科香屋子(尾野)は、そんな王子を監督復帰させるため大勝負に出る。一方、瞳はクセ者プロデューサーの行城理(柄本)や個性的な仲間たちとともに、アニメ界の頂点を目指して奮闘するが……。
「神作」「神回」のように、私たちは「神」という言葉を使って作品から受け取った感動を表現する。『ハケンアニメ!』は観客からするとそんな神様のような存在たちの物語だ。しかし本作で描かれるのは、デビューしたての新人監督も天才と呼ばれるカリスマ監督も同じように、そして作品製作に関わるさまざまなポジションの一人ひとりが、机に噛り付きながら自分の仕事をコツコツと積み上げていく姿である。それはきっと、劇中を越えこの映画を創る人たちの姿でもあるのだろう。主人公・瞳をはじめ、彼女らの原動力となるのは、自分自身がアニメや映画によって深く心を打たれた経験だ。そうして創られた作品が、他の誰かの心に届き、その人の日常や人生を照らしてくれる。不安定さが増していく社会のなかで、エンターテインメントが私たちの情熱と感動のバトンであることを再認識させてくれた。(の)
妙子(木村)は、再婚した夫・二郎(永山)と息子・敬太(嶋田)とのかけがえのない幸せな日々を過ごしていた。ある日、夫婦を悲しい出来事が襲う。哀しみに打ち沈む妙子の前に失踪した前の夫であり敬太の父親でもあるパク(砂田)が現れる。再会を機に、ろう者であるパクの身の周りの世話をするようになる妙子。哀しみの先で、妙子はどんな「愛」を選択するのか、どんな「人生」を選択するのか……。
なぜパクは妙子を殴ったのか。鑑賞後そのことが頭を離れずに到達したひとつの解釈。妙子のパクへの愛は守ってあげる愛だから。束縛的であるがゆえにパクは去り、守り人である妙子が息子を守れなかったからこそパクは怒った。
妙子は守れなかった現実に直面し初めて泣き崩れる。そして、贖罪であるかのように頑なにパクを守ろうとし、二郎を振り切ってパクの故郷・韓国まで付き添う。そこで突きつけられたのは立派に成人した息子がいるパクの人生。妙子はオッパの歌で体を揺らし、このばかばかしい風景を心空っぽにしてやり過ごす。
パクは強いと気づいた妙子が戻るのは実は最も弱い二郎。二郎にこっちを見てと言うのは言葉の不全を乗リ超えて愛と人生を始める再起動スイッチ。これからどうするか決める重大な局面なのに、とりあえず腹を空かせるために散歩に出かける二人と矢野顕子さんの♪「LOVE LIFE」が重奏し、人間って深いし愛しいって実感させてくれるエンディングが心地よい。(LS)
1980年生まれ、東京都出身。映画美学校監督コース修了後、2005年劇団・青年団に演出部として入団。『歓待』(10年)が東京国際映画祭日本映画「ある視点」部門作品賞、プチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞を受賞。『ほとりの朔子』(13年)がナント三大陸映画祭グランプリ&若い審査員賞をダブル受賞。『淵に立つ』(16年)が第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員賞受賞。最新作『LOVE LIFE』(22年)は第79回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選出された。同年、東京国際映画祭より黒澤明賞授与。
1979年生まれ、大阪府出身。『夜の話』(2000年)がPFF(ぴあフィルムフェスティバル)にて審査員特別賞受賞、『日曜大工のすすめ』(11年)が第16回釜山国際映画祭ショートフィルムスペシャルメンション受賞。CMプランナー、MVディレクターを経て、CGクリエイターとして『君の名は。』(16年)に参加。『水曜日が消えた』(20年)で劇場長編監督デビュー。次の世代を担う映像クリエイター選出プロジェクト「映像作家100人2019」にも選出された。
2004年生まれ、兵庫県出身。5歳で出演したテレビドラマ「Mother」で脚光を浴びる。『ゴースト もういちど抱きしめたい』(10年)で第34回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。『うさぎドロップ』『阪急電車 片道15分の奇跡』(11年)で第54回ブルーリボン賞新人賞を史上最年少で受賞。『パシフィック・リム』(13年)でハリウッドデビューを果たす。近年では『星の子』(20年)に主演、大河ドラマ「麒麟がくる」に出演するなど、数々の映画・ドラマ・CMなど多方面で活躍中。
1945年生まれ、北海道出身。63年文学座付属演劇研究所に入所、64年劇団青芸「三日月の影」(別役実作)で初舞台。『お葬式』(85年)で第8回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、『マルサの女』(88年)でシカゴ国際映画祭最優秀主演女優賞、第11回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、第61回キネマ旬報主演女優賞などを受賞。2014年紫綬褒章受章、2022年毎日映画コンクール 田中絹代賞受賞。近年は『いちごの唄』(19年)、『キネマの神様』(21年)、『ハウ』(22年)に出演。JAZZLIVEなどで歌手としても活動。2024年NETFLIX『忍びの家 House of Ninjas』に出演する。
1972年生まれ、千葉県出身。監督、脚本、撮影を担当した『ももいろそらを』(2011年)で長編映画デビュー。第24回東京国際映画祭日本映画・ある視点部門で作品賞、第50回ヒホン国際映画祭で日本映画として初のグランプリを受賞。続く長編『ぼんとリンちゃん』(14年)では第55回日本映画監督協会新人賞などを受賞。その後は『逆光の頃』(17年)、『殺さない彼と死なない彼女』(19年)など漫画原作を監督、脚本した。
1969年生まれ、愛知県出身。96年、演劇ユニットちからわざを旗揚げ。映画『アイコ十六歳』(83年)以降、数々の映画、テレビドラマに出演。また、ドラマの脚本や映画の脚本、監督としても活躍。『memo』(2008年)に続く、原作、脚本、監督の映画第2弾『はるヲうるひと』(20年)は韓国の第2回江陵国際映画祭コンペティション部門最優秀脚本賞受賞。本年は主演作『さがす』のほか、『truth〜姦しき弔いの果て〜』『バイオレンスアクション』にも出演。
1988年生まれ、神奈川県出身。特撮テレビドラマ「侍戦隊シンケンジャー」(2009年)で俳優デビュー。以降、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。『孤狼の血』(18年)で第10回TAMA映画賞最優秀男優賞、第42回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞など多数の賞を受賞。『新聞記者』(19年)では第43回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した。近年の主な出演作に『孤狼の血 LEVEL2』『空白』(いずれも21年)、『耳をすませば』(22年)など。
1941年生まれ、東京都出身。松竹歌劇団を経て『斑女』(61年)で映画デビュー。『男はつらいよ』シリーズ全作品、『家族』(70年)、『遙かなる山の呼び声』(80年)などに出演。70年に第21回文化庁芸術選奨文部大臣賞を受賞したほか、キネマ旬報賞、毎日映画コンクール、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞、報知映画賞など受賞歴は数多い。2005年に紫綬褒章、13年に旭日小綬章を受章。近年では『461個のおべんとう』(20年)、『Arc アーク』(21年)に出演。
1998年生まれ、静岡県出身。雑誌「セブンティーン」の専属モデルを経て俳優デビュー。『海街diary』(2015年)でTAMA映画賞をはじめとした数々の映画賞において新人賞を受賞。人気マンガを映画化した「ちはやふる」シリーズでは主演を務め、『三度目の殺人』(17年)で第41回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。近作では『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18年)、『ラストレター』『一度死んでみた』(いずれも20年)、『いのちの停車場』(21年)などがある。
1981年生まれ、大阪府出身。高校卒業後、中村幻児監督主催の映像塾で学ぶ。テレビドラマの仕事などを経験したのち、韓国のポン・ジュノ監督や山下敦弘監督などの作品で助監督を務める。2019年公開の『岬の兄妹』で長編映画監督としてデビューを果たし、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭国内コンペティション長編部門優秀作品賞・観客賞、第41回ヨコハマ映画祭新人監督賞などを受賞した。『さがす』は長編映画の監督としては2作目。ほかに短編『そこにいた男』(20年)やテレビドラマ「さまよう刃」(21年)などがある。
1985年生まれ、兵庫県出身。日本映画学校映像学科(現 日本映画大学)を卒業後、映画学校の講師だった長崎俊一監督の『西の魔女が死んだ』(2008年)で、演出部として映画業界に入る。大森立嗣監督作品をはじめ、日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務め、『こちらあみ子』で監督デビューを果たした。
1992年生まれ、静岡県出身。高校時代から地元の劇団に出演し、その後は小劇場を中心に活動した。テレビドラマ「仮面ライダーゴースト」(2015年)、連続テレビ小説「ひよっこ」(17年)、「今日から俺は!!」(18年)、『サ道』シリーズ(19年〜21年)などに出演。『ヤクザと家族 The Family』『劇場版 きのう何食べた?』(いずれも21年)で第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。『前科者』『PLAN 75』『ビリーバーズ』『さかなのこ』『異動辞令は音楽隊!』『カメの甲羅はあばら骨』(いずれも22年)など、出演作の公開が続く。
1996年生まれ、神奈川県出身。2011年に俳優デビュー。19年、テレビドラマ「初めて恋をした日に読む話」が話題を呼び、以降、多くの作品に出演。第43回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。主な出演映画として『青の帰り道』(18年)、『愛唄―約束のナクヒト―』、『チア男子!!』、『いなくなれ、群青』(いずれも19年)、『きみの瞳が問いかけている』(20年)。本年は『嘘喰い』、『アキラとあきら』、『線は、僕を描く』に主演。23年に舞台「巌流島」、映画『ヴィレッジ』『春に散る』の主演作が控えている。
2000年生まれ、東京都出身。19年デビュー。21年出演『サマーフィルムにのって』(松本壮史監督)、『由宇子の天秤』(春本雄二郎監督)での演技が高く評価され第95回キネマ旬報ベスト・テン日本映画新人女優賞ほか、国内映画賞で数多くの受賞に輝く。23年には映画初主演作『少女は卒業しない』(中川駿監督)が控えている。
2005年生まれ、大阪府出身。6歳の時にドラマデビュー。『湯を沸かすほどの熱い愛』(16年)で第31回高崎映画祭最優秀新人女優賞を受賞。初主演映画『島々清しゃ』(17年)では第72回毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞を受賞。その他の出演映画に『花戦さ』(17年)、『ギャングース』(18年)、『空白』(21年)。本年は『さがす』、『恋は光』、『MIRRORLIAR FILMS Season4』などの話題作に出演している。