第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM
多摩市立永山公民館(ベルブ永山)
多摩市立関戸公民館(ヴィータコミューネ)
昭和10年代初頭の子どもたちの歓声が響く丹波篠山。ガキ大将の雅雄は、わんぱくだが体が弱い面があり、学校を休むことも。兄弟への劣等感からいら立つ時もあるが、心を癒してくれるのは、篠山の自然。ある日、東京から美代子が転校。虫などを怖がる都会っ子で孤立してしまうが雅雄と自然のなかで遊ぶことで、心を開いていく……。
映画『森の学校』には、自然が溢れている。かつての日本には周りにたくさんの生き物が棲息する自然があり、親子が三代で暮らし、子どもたちは生命の誕生や老いの様子、そして死を身近に体験することができた。現代の子どもたちは、いつ・どこでそれを学べばいいのでしょうか。
この映画では少年が成長するプロセスにおいて、いかに家族や近隣の人々の存在が大切な役割を果たすかをも描き出している。これも今日の社会における大きな課題である。
昭和10年代初頭の丹波篠山という設定で製作されたこの映画を観ていただくことで、かつての日本の自然と人びとの心の豊かさを思い出し、これからの社会づくり、地域づくりの一助になればと思う。
「やんちゃなこどもは身近にいますか。」
「こどもの自然はどこへ行った?」
「あなたはどんなお父さん?どんなお母さん?」
ともこの映画は訊ねています。(西)
1947年生まれ、兵庫県丹波篠山市出身。早稲田大学文学部卒業。東映(株)京都撮影所に入所。82年ドキュメントを初監督以来、テレビ映画「照姫七変化」「三匹が斬る」「代表取締役刑事」他の各作品を数話監督。5時間スペシャル番組「徳川家康」「伊達政宗」を師舛田利雄と共同監督。88年度教育映画祭優秀作品賞受賞作『はばたけ明日の瞳』(共和教育映画社)をはじめ、99年度教育映像祭最優秀作品賞(文部大臣賞)受賞作『お母んぼく泣かへんで』(東映教育映像)など社会派映画も多数手がける。