第26回映画祭TAMA CINEMA FORUM
地方制作の低予算AVの控室。そこで展開される女優4人のギスギスを、ときに可笑しく、ときに切なく描いた青春映画。気まずくて不謹慎な「福岡女子たちの冷たい戦争」が始まるなか、果たして4人は無事に撮影を開始できるのであろうか……。
『四人姉妹』は、どの業種の世界でも起こりうる普遍的な人間関係を描いています。加えて4人の過去も並行して描き、複雑怪奇な「女子のパーソナリティ」も浮き彫りにしています。東京男子の福岡女子幻想を打ち砕くかもしれないですが、どうかご容赦ください。
1973年生まれ、大分県出身。『バーバーライノ』が、ひろしま映像展でグランプリ・脚本賞をダブル受賞。『女王の帰還』が日本芸術センター 映像グランプリで最終ノミネート作に選出。効率的に現場を進行させ、ほぼ1テイクOKの早撮り監督なので、キャストスタッフに愛されている。
小説「桜桃」をきっかけに出会った大学生の美緒と田中。一目で美緒に惹かれた田中だが、美緒はロックサークルの憧れの先輩・雄也に恋をしていた。それぞれの大学生活を過ごす二人だったが、美緒がとあることをきっかけに大学を辞めて実家へ帰ってしまう。心配した田中は美緒のもとへと向かう。
後悔の気持ちを抱えながらも、なにかを決断し選択していくことが、幸せを掴むことなんだ、ということを描きたい。走ったり、転んだり、倒れたり、サイレント映画のようなアクションも見所です。
1988年生まれ、埼玉県出身。怪奇特撮映画『STELLA』が2014年うえだ城下町映画祭自主制作映画コンテスト審査員賞受賞。恋愛と格差の映画『さよならパークハイツ』が15年武蔵野映画祭グランプリ受賞。16年監督作『やまとのもり』がSSFF&AsiaミュージックShort部門にノミネート。
男がサンダルを履いて歩いている。彼は手帳で確認しながら、用事をひとつひとつ終わらせていく。しかし予定が狂ってしまう。手帳には「恋に落ちる」とは書いてなかったのだ。加藤啓の唯一無二の世界観が広がる、ファンタジック・シュール・コメディ。
自分が書いた断片的な短編小説「晴樹のサンダルが脱げそう」を原作に映画を撮りました。小説の人物がこの世に飛び出したら、ある瞬間を演じて、終わったら移動して、そこでまた演じ始めるのではないか、そう考えました。でも、私の人生もまた「用事を済ませ、移動して、次の予定をこなす」の日々なのです。
1974年生まれ、愛知県出身。早稲田大学第二文学部卒業。94年劇団拙者ムニエルに旗揚げより参加。以降看板俳優として全作品に出演。その確かな演技力と独特の存在感で、小劇場から商業演劇まで外部出演も多岐に渡る。また辻修とのコントユニット「モッカモッカ」では、その映像の独創性も評価されている。
結婚6年目の主婦、マリ子は日々不満を募らせていた。夫、智晴とは諍いが絶えず家庭内別居状態。職場のバッティングセンターでは店長、鱈目の横暴や後輩みはるの奔放な言動に振り回される毎日。追い詰められたマリ子は、ある妄執に支配されるようになり次第に現実でも常軌を逸した行動を取り始めるようになる……。
僕の作る作品は悲喜劇だと思います。シリアスなシーンのはずなのにどこか滑稽で可笑しかったり、その逆に滑稽なシーンのはずなのにどこか物悲しかったり。そういった部分にこそ、人間のもっとも面白くて愛おしいものが潜んでいると考えています。
1979年生まれ、京都府出身。2007年映画美学校フィクション高等科を修了。在学中に制作した4作目『蛾意虫』が第12回水戸短編映像祭など国内の映画祭で入選。10年『焦げ女、嗤う』が第11回TAMA NEW WAVE入選、11年に渋谷UPLINKXでレイトショー公開される。
年金生活でアル中の政夫(65歳)はニートで詩人の息子、広志(33歳)と二人で一軒家暮らし。そこに、政夫の新たな妻として、寿美子(60歳)がやってくる。食卓を囲んだ家族の再建となるかと思いきや、3人の食卓は別々になっていく。
出演者の濃いキャラクターが魅力かと思います。また、セリフは少ないですが、“そこはかとない”雰囲気を味わって頂ければ幸いです。人生回り道もいいですが度を過ぎるといけないので、今作を契機に、映画だけを頑張っていく所存です。今後の活動にご期待ください。
1981年生まれ、埼玉県出身。早稲田大学、稲門シナリオ研究会出身。学生時代は多作だったが、卒業後、映画会社設立を目指してデイトレーダーに転身してからが運の尽き。色々あって、今作『食卓』(PFFアワード2016グランプリ、バンクーバー国際映画祭正式出品)で、約10年ぶりに自主映画制作に復帰。