第34回映画祭TAMA CINEMA FORUM
永山公民館(多摩市公民館)
関戸公民館(多摩市公民館)
パルテノン多摩総合案内窓口
学校の音楽会に向けて、苦手なリコーダーの練習をしているのび太の前に、不思議な少女ミッカが現れる。のび太の奏でるのんびりとした音色が気に入ったミッカは、音楽がエネルギーになる「音楽(ファーレ)の殿堂」にドラえもんやのび太たちを招待するのだが、そこへ世界から音楽を消してしまう不気味な生命体が迫ってくる。
「映画ドラえもん」の43作目。原作漫画である大長編ドラえもんのシリーズでは描かれなさそうな「音楽」がテーマに置かれている。というのも、「漫画版ドラえもん」での音楽の扱いといえば、ジャイアンリサイタルやしずかちゃんの下手なバイオリンといったネガティブにも感じられる描写が多いからだ。
本作では、日記のなかで「音楽がなかった。楽しかった」のくだりから始まり、「みんなで音楽をやった。楽しかった」で締めくくられるように、作品を通じて音楽をもっと好きになるような工夫がほどこされている。
特に「時空間チェンジャー」で音の響く風呂場とつながっていたため、空気のない宇宙空間でも音が響くという展開はなるほどと膝を打った。劇伴も音響も凝っており、映画館の音響施設で鑑賞したほうが楽しめる作品である。
余談だが、本作の予告を観た際に編集の巧さに驚いたが、それに携わったのがTAMA映画祭実行委員出身者ということがわかり、何だか誇らしい気持ちになったりもした。(理)
グルーは潜入捜査を兼ねて同窓会に出席し、因縁のライバルであるマキシム・ル・マルと再会、昆虫化したマキシムに苦戦しながらも無事逮捕した。ところがマキシムはグルーへの復讐を宣言したうえで脱獄。反悪党同盟はグルーファミリーの身を案じ、名前と住処を変えての生活を提案。なんとか新生活を始めるグルー一家だったが……。
2年振りにTAMA映画祭にもグルー&ミニオンが帰ってきた! 今回は「怪盗グルーシリーズ」のため、ルーシーや3姉妹も7年振り(!)に登場。さらにはグルーとルーシーの子供グルーJr.まで爆誕です。が、このグルーJr.もパパにまったく懐いておらず、さすがのクセ強キャラ。そんなグルーJr.をまさにピットクルーのように面倒を見るミニオンたちの手際の良さは完璧で、普段あんなにイタズラかつ失敗ばかりなのは敢えて? と思うほどですが、もちろん今回もイタズラ、失敗のオンパレード。大悪党相手に戦うミニオンズもだめなことをしている緩さは、SNSで「正義」を振りかざす日本人を吹き飛ばすかのよう。しかも大人には映画のオマージュネタや80年代ポップスも楽しめるオマケ付きです。エンディングまでかわいいミニオンで楽しませてくれるスタッフの愛情にも拍手!(お)