第34回映画祭TAMA CINEMA FORUM
永山公民館(多摩市公民館)
関戸公民館(多摩市公民館)
もうすぐ20歳になり一人暮らしをするため家を出ていく“ふみ”。おせっかいな父と、10年間部屋のなかに閉じこもったままの兄、むっちゃんと3人で暮らしている。むっちゃんが見えない存在になっていることへのもどかしさを抱えたまま、ふみは残りの日々を過ごしていく。ある夜、ふみは日の沈まないまちに迷い込み、むっちゃんと邂逅する。幼い頃のようにたのしい時間を共にするが、そんな時間も長くは続かず……。
これまでの集大成である卒業制作として、仲間たちとともに愛を込めてつくりました。環境の変化を目前とした主人公の“ふみ”の目を通して、過ぎ去っていく時間を繋ぎ止めるように描いた作品です。登場人物たちや映画を受け取ったみなさんが「折にふれて」思い出すような存在になれたらと思っています。
2002年生まれ、大阪府出身。猫好き。京都芸術大学映画学科を卒業後、現在は映像制作会社で制作部・演出部としてCM、MV、映画制作に携わる。初監督作である短編映画『水魚の交わり』(21年)がSSFF&ASIA2022のジャパン部門に入選。初長編作である『折にふれて』(24年)は、SKIPシティDシネマ国際映画祭2024国内長編部門優秀作品賞を受賞した。
人を見ると理性を失い、噛みつき感染させてしまうゾンビの家族。今まで人目につかないよう、家の中から一切出ることなく静かに暮らしていたが、外を知らない娘のために父親は、人間と共存していきたい、せめて自分たちを受け入れてほしいと考えていた。ある日、家の前で起こった事故の被害者に、娘が噛みついてしまったことをきっかけに、このままゾンビ感染者を増やしていこうと試みる父親。SNS上ではゾンビは物珍しく、多様性の時代だと一時は持てはやされるが、ゾンビ一家の炎上をきっかけに世論が変わっていく。
この映画は、現実世界と隣り合わせな、パニックではないゾンビ映画になっています。世論に振り回され立場がコロコロ変わっていく人間とゾンビたちを、楽しんで観ていただけたら嬉しく思います。宜しくお願い致します。
1995年生まれ、東京都出身。映像カメラマン、エディター。2019年に青山学院大学総合文化政策学部を卒業。監督作『山田』(19年)、新人監督映画祭にて短編部門グランプリ受賞、カナザワ映画祭、神戸インディペンデント映画祭 他で上映。『ホモ・アミークス』(23年)、下北沢映画祭にてグランプリ受賞、田辺弁慶映画祭、ぴあフィルムフェスティバル、MOOSIC LAB 2024 ほかで上映。
ある夏の日、茹だるような熱気の中、片足にギプスを嵌め、松葉杖を突く2人の女生徒、愛花と詩織が連れ立って下校道を歩いている。2人は同じ高校に通い、同じバスケットボール部に所属している。愛花は部内のエースで、詩織は補欠。2人はインターハイ目前の練習中に起こった不慮の接触事故によって、互いに足を負傷し、それ以来、登下校など行動を共にしているのだ。そんな中、愛花の恋人である中谷がバスケ部のマネージャー、綾に部室で浮気をする場面を愛花と詩織は目撃するのだった……。
2年前の夏、駅の改札で僕はこの映画に登場する愛花と詩織のように互いに片足にギプスを嵌め松葉杖を突く2人の女子高生を目撃しました。勝手ながらその2人をモチーフに脚本を書き始めたことがこの映画の出発点です。この映画を通して再び彼女たちを目撃することができたなら。そんな想いで撮った映画です。
1998年生まれ、佐賀県伊万里市出身。大学への進学を機に上京。日本映画大学を卒業後、演出部として映画やTVドラマ、配信作品などの制作に携わる。2023年から大学時代の先輩や同期と共に映画製作団体「小さな映画」として自主映画を精力的に制作する。その傍らストリップ劇場に勤務し、照明などを担当。また新宿ゴールデン街のバーでも働いている。現在は新たな脚本・監督作品を制作中。
長年友人だった田村(30歳)の母親と結婚することになった敦也(30歳)は、結婚を告白するため田村をバーに呼び出すが、田村に「相手が誰か当てるから言うなと」言われ、なかなか切り出せない。田村は敦也の結婚相手が自分の母とは知らず、下衆な質問を繰り返す。そんな様子を見ているバーの常連客 槇島(37歳)もこれから同じく結婚の報告をするという。槇島の待ち合わせの相手、尚実が現れ、槇島は披露宴のスピーチをしてほしいと頼むが――。関西を拠点に活動する人気劇団 中野劇団の傑作戯曲「結婚の報告」の映画化作品。
短編を撮ろうと思って始めた企画がスケベ心が出過ぎて気付いたら68分の長編作品になっていました。あまり大きな声では言えませんがとんでもなく短い期間で撮影して誕生した奇跡的な作品です。キャストスタッフの底力が凄まじかったです。本作は悲喜劇です。ぜひ笑って観ていただければ幸いです。
1981年生まれ、大阪市出身。NCF映像コース2期にて井筒和幸監督に師事し、『パッチギ!』に演出部ボランティアスタッフとして参加。卒業後、演出部として堤幸彦監督、生野慈朗監督、木村ひさし監督、中島哲也監督たちの現場で助監督を務める。映画『エターナル・マリア』(2016年)で長編映画の初監督を務め、2作目『レンタル×ファミリー』(23年)がロングランヒットを記録し、現在フィンランドで公開中。