第34回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【B-2】坂本龍一特集 ―芸術は長く、人生は短し―

11/23[祝・土] パルテノン多摩小ホール
チケット情報

チケット料金

一般
前売:1,900円 / 当日:2,000円
子ども(4歳~小学生)
前売:800円 / 当日:900円

▼インターネットで購入

teket(テケト)

▼窓口で購入

永山公民館(多摩市公民館)

取扱時間:9:00〜17:00
[休館日と祝日を除く。休館日:第1木曜、第3木曜]

関戸公民館(多摩市公民館)

取扱時間:9:00〜17:00
[休館日と祝日を除く。休館日:第1月曜、第3月曜]

パルテノン多摩総合案内窓口

取扱時間:10:00〜19:00
[休館日を除く。休館日:11/11(月)、11/12(火)]
※パルテノン多摩が会場の【B-1】〜【B-9】のみ取扱い
※パルテノン多摩の「オンラインチケット」および「電話予約サービス」はご利用いただけません
会場アクセス

パルテノン多摩 小ホール

〒206-0033 東京都多摩市落合2-35
小田急多摩線/京王相模原線/多摩都市モノレール「多摩センター駅」より徒歩5分。(パルテノン大通りを直進)

戦場のメリークリスマス 4K修復版

  • Merry Christmas Mr.Lawrence
  • 1983年/日・英・ニュージーランド/アンプラグド配給/123分
  • 監督・脚本=大島渚
  • 原作=ローレンス・ヴァン・デル・ポスト
  • 脚本=ポール・メイヤーズバーグ
  • 製作=ジェレミー・トーマス
  • 撮影=成島東一郎、杉村博章
  • 音楽=坂本龍一
  • 編集=大島ともよ
  • 出演=デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、トム・コンティ、ジャック・トンプソン、内田裕也、三上寛 、ジョニー大倉、室田日出男

ストーリー

1942年のジャワ島日本軍捕虜収容所。ヨノイ陸軍大尉(坂本)はイギリス人捕虜・セリアズ(D・ボウイ)の美しさに心を奪われてしまう。一方、粗暴なハラ軍曹(ビートたけし)はクリスマスに酒の勢いでセリアズと同じ捕虜のロレンス(T・コンティ)を釈放してしまう。激怒したヨノイが捕虜全員の整列を命じるが……。

コメント

冒頭から流れる「Merry Christmas Mr.Lawrence」で一気に惹き込まれる。坂本龍一がこの作品に参加する際に「役者だけでなく音楽もやらせてもらえるのなら」を出演の条件にしたのは有名な話だ。本作が初めて手掛けた映画音楽となり、その後『ラスト・エンペラー』でアカデミー賞作曲賞をアジア人で初受賞、「世界のサカモト」と呼ばれるようになっていった。

坂本は役者としてもスクリーンで稀有な存在感を発揮している。ヨノイとセリアズのキスシーンは、機材トラブルのせいで奇跡的にあのようなブレた映像になったという。ふたりの心の機微がよく伝わる、映画史に残る名シーンと言えるだろう。

この作品は何度か観てやっと理解できるものなのかもしれない。1度目は衝撃で内容に追いつけず、2度目以降でやっと意図するものが少しずつわかってくる。そして何度観ても新たな感動がある。是非、大きなスクリーンで鑑賞してほしい。(澤)

Ryuichi Sakamoto | Opus

  • 2023年/KAB America Inc.製作/ビターズ・エンド配給/103分
  • 監督=空音央
  • 製作=空里香、アルバート・トーレン、増渕愛子、エリック・ニアリ
  • 撮影=ビル・キルスタイン
  • 録音・整音=ZAK
  • 編集=川上拓也
  • 音楽・演奏=坂本龍一

概要

世界的音楽家・坂本龍一による最後のコンサート映画。坂本自身の選曲による全20曲が1日の始まりから終わりまでを感じさせる曲順で構成されているという。曲目は映画音楽、YMO時代、友人の追悼のために書かれたものなど多岐にわたる。録音は坂本が「日本で一番音が良い」と評したNHK509スタジオで8日間をかけて行われた。

コメント

モノクロームのコントラストが坂本龍一という音楽家の洗練を、そして同時にその身体に残された僅かな時間を否が応でも観客に意識させる。影の刻まれた細く、筋張った指がピアノの鍵盤を叩き、自身の呼吸とともに音を宙に舞わせるその様は、生命が音楽へと姿を変えるまさにその瞬間を目撃するかのようだ。

坂本の晩年の音楽制作の指標に「ロゴス」と「ピュシス」という概念がある。簡潔に表せば前者は言語的で人が意味や形式を規定したものを指し、後者は自然的なものを指す。坂本は自身の音楽をピュシスの方へと近づける試みを幾つも行ってきた。すると映画というカメラとマイクによる機械的な記録は自然的足りうるのかという疑問が浮かぶ。しかしその疑問は早計だ。映画はわれわれ観客の身体という自然物を通ることで、自然的なものへと回帰していくのだから。これは観客が、開かれた坂本龍一という存在をそれぞれに受け継ぐ、そんな経験なのかもしれない。(弦)

ゲスト紹介

牛尾 憲輔 氏

Ushio Kensuke

2008年12月にソロユニット“agraph”としてデビューアルバム「a day, phases」をリリース。11年中村弘二、フルカワミキ、田渕ひさ子とともにバンド“LAMA”を結成。12年以降は電気グルーヴのライブサポートメンバーとしても活動する。14年TVアニメ「ピンポン」ではじめて劇伴を担当。24年、劇伴作家としては10周年を迎える、同年アムステルダムで「チェンソーマン Live set」と銘打ち単独公演を大成功する。同年11月20日には牛尾憲輔名義としては初の日本での単独公演「牛尾憲輔 behind the dex」をリキッドルームにて実施する。24年後半も劇場映画山田尚子監督『きみの色』、TVシリーズアニメ「ダンダダン」「チ。」の音楽担当と海外でも人気のある話題作が続く。

佐々木 敦 氏

Sasaki Atsushi

思考家/批評家/文筆家。音楽レーベルHEADZ主宰。映画美学校言語表現コース「ことばの学校」主任講師。芸術文化のさまざまな分野で執筆などを行なっている。2024年4月に「「教授」と呼ばれた男―ー坂本龍一とその時代」(筑摩書房)を刊行。最新刊は「成熟の喪失 庵野秀明と〝父〟の崩壊」(朝日新書)。

プログラム一覧

牛尾憲輔氏(電子音楽家/劇伴作家/プロデューサー)、佐々木敦氏(思考家/HEADZ主宰)
齋藤潤氏、早瀬憩氏、伊藤さとり氏(映画パーソナリティ)
井上淳一氏(脚本・監督)、芋生悠氏、碧木愛莉氏、宮田岳氏、中野ミホ氏
北村匠海監督、萩原利久氏、藤堂日向氏、SYO氏(映画ライター)
山中瑶子監督、河合優実氏、五所純子氏(文筆家)
呉美保監督、忍足亜希子氏、中井圭氏(映画解説者)
石橋夕帆監督、岩田奏氏(俳優)、石山愛琉氏(俳優)
井口奈己監督、小川あん氏(俳優)
小関裕太氏、中川龍太郎監督
チャン・ゴンジェ監督、ソ・ジュニョン氏
チャン・ゴンジェ監督、菊地成孔氏(音楽家/文筆家)
有馬尚史監督、松田咲香氏(写真家)、小川紗良氏(文筆家・映像作家・俳優)
竹林亮監督、川和田恵真監督
山崎まどか氏(コラムニスト)、ゆっきゅん氏(DIVA)
大山顕氏、佐藤大氏、稲田豊史氏、速水健朗氏、妹尾朝子氏、山内マリコ氏
山内マリコ氏(作家)
村瀬大智監督、中山慎悟氏、百々武氏(写真家)
小路紘史監督、遠藤雄弥氏、森田想氏、後藤剛範氏、倉本朋幸氏