第34回映画祭TAMA CINEMA FORUM
永山公民館(多摩市公民館)
関戸公民館(多摩市公民館)
パルテノン多摩総合案内窓口
1980年代。ビデオの普及に伴い、映画館から人が遠のき始める。そんななか、若松孝二(井浦)は時代に逆らって名古屋にミニシアターを作り、ビデオカメラのセールスマン・木全純治(東出)を支配人に抜擢する。木全は若松に振り回されながらも持ち前の明るさで経済的危機を乗り越えていく。そんなシネマスコーレには、金本法子(芋生)、井上淳一(杉田)ら映画に人生をジャックされた若者たちが吸い寄せられてくる。
若松監督の役年齢に実年齢が重なり、ヤンチャさに温かな包容⼒が加わりさらにパワーアップした井浦さん、シネマスコーレの「木全」さんになりきっていた東出さん、青春のやるせなさ、ほろ苦さをフレッシュに演じていた杉田さんと芋生さんなど、キャスト陣の演技が抜群によかったことに加え、「不適切にもほどがある!」に通底するコンプラが行き過ぎた現代が失った大切なもの、バカバカしくも熱い息吹をしっかりと伝えてくれていて、まさに2024年を象徴する時代性があります。Netflixの「極悪女王」も80年代の熱気を伝えてくれていて、白石和彌監督・マキ上田役の芋生さんと本作と繋がりがあるのも必然のように思います。3月15日の大人数でのスタッフ・キャストによるミニシアター4館バスツアー舞台挨拶を皮切りに、日本全国のミニシアターを巡る活動は、厳しい経営の続くミニシアターの支援として、そして映画が完成したあとも製作部と俳優部が一緒に盛り上げていく活動として、とても大きな意義があると思います。その旅の一環として若松監督やキャストの皆様とご縁のあるTAMAでの上映と舞台挨拶を実現できることはとても感慨深いものがあります。(LS)
1965年生まれ、愛知県出身。脚本家・映画監督。早稲田大学入学と同時に若松プロへ。90年『パンツの穴 ムケそでムケないイチゴたち』で商業映画監督デビューする。その後、荒井晴彦氏のもとで脚本家に。『くノ一忍法帖 柳生外伝』(98年/小沢仁志監督)、『アジアの純真』(2011年、片嶋一貴監督)、『福田村事件』(23年、森達也監督)などの脚本を手がける。映画監督作としては『戦争と一人の女』(13年)、『大地を受け継ぐ』(16年)、『誰がために憲法はある』(19年)など。
1997年生まれ、熊本県出身。2015年のデビュー以降、映画、ドラマ、舞台などで活動。代表作は『ソワレ』(外山文治監督)、『左様なら』(石橋夕帆監督)、『ひらいて』(首藤凛監督)、『37セカンズseconds』(HIKARI監督)、ドラマ「SHUT UP」ほか。24年には『夜明けのすべて』(三宅唱監督)、『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』(井上淳一監督)、『初めての女』(小平哲兵監督)、Netflixシリーズ「極悪女王」などに出演している。公開待機作に『次元を超える』(豊田利晃監督)、『ROPE』(八木伶音監督)、自身初監督作となる『解放』がある。
2001年生まれ、千葉県出身。映画『福田村事件』(23年)の朝鮮飴売り”キム・ソンリョ”役で鮮烈なスクリーンデビューを果たす。Netflix学園ドラマ「恋愛バトルロワイヤル」(24年)ではメインキャスト桜井悠月役に大抜擢。2歳から始めたクラシックバレエで、高校3年間イギリスへ留学しており、流暢な英語とバレエで鍛えた表現力にも注目。本作では佐々木美紀役で出演。office MUGI所属。
1991年生まれ、兵庫県神戸市出身。2009年黒猫チェルシーのベーシストとしてデビュー。現在ソロとして主に東京で活動。頭脳警察、Jagatara2020、flOrencia Riuz&公開車庫、Surrogate Trio,Duo Ensembleレレレレ、イマイアキノブ・カルテットなどに参加。ベースサポートとして鈴木茂、汝、我が民に非ズなど。22年、初ソロアルバム「ゆりかご」をリリース。2024年本作の映画音楽を担当。
1993年生まれ、北海道札幌市出身。2009年に自身が作詞作曲を務めるロック・バンドDrop'sを結成し、ボーカル&ギターとして活動をスタート。16年には『無伴奏』(矢崎仁司監督)、『月光』(小澤雅人監督)という2本の映画主題歌に楽曲が起用。その後ソロとして活動。22年6曲入りEP「Breath」をリリース。24年には本作の主題歌・挿入歌の歌唱を担当。同年、初のフルアルバム「Tree」をリリース。