第34回映画祭TAMA CINEMA FORUM
永山公民館(多摩市公民館)
関戸公民館(多摩市公民館)
東京に住む平坦で平凡な高校生・渋谷ハルコ(山田)、16歳。ある夜、橋の上で倒れていた神奈川ケンイチ(鈴木)にひとめぼれする。“世紀の恋”だとはしゃぐハルコに対して、真面目でおとなしげなケンイチは、受験目前、衝動的に学校を辞めてしまいそれどころではない。さらに、勢いでナンパした危険な香りのする女の子・マユミに夢中になっていく。二人の平行線の恋はどこへ行くのか。友だちや家族や自分、悩みもがく少年少女の刹那的な視線を切り取った、恋と成長の物語。
「団地映画を総決算!」と掲げた今回の企画。団地映画における女性、男性の描かれ方、特に女性の描かれ方をテーマに今年は『ジオラマボーイ・パノラマガール』を上映作品に選びました。80年代テイストのガール・ミーツボーイ。すれ違いを繰り返す渋谷ハルコと神奈川ケンイチ。恋にまっしぐらの二人かと思うと、あちらこちらとクネクネしながらの二人。ハルコ、ナツ、タイラ、カエデ、マルたちの行動世界とケンイチの融通の利かない行動世界。これが10代の世界なのかなあと首を捻りながら納得していく自分がいる。自分の10代を振り返ってみればと言われれば、赤面しながら首を縦に振る。もう団地団トークを聞いてみないと、このモヤモヤ感はなくならない。毎年のことながら映画上映後の団地団のトークが待ち遠しい作品です。そして団地団2部のエンドレストークはどんなトークになるのか開けてみないとわからないチョコレートの箱です。食べてみないとわからない。楽しみにしてください。(昇)
2010年12月、新宿ロフトプラスワンのトークイベントで結成。メンバーがそれぞれの立場から、映画、マンガ、アニメなどに登場する団地について深く考察して大放談を繰り広げる。話題は団地の美観や構造に対する偏愛にとどまらず、団地登場作品の演出論から大衆文化論、果ては都市論や郊外論にまで飛び火。知恵熱必死の知的エンターテインメント集団。
1972年生まれ。写真家/評論家。「住宅都市整理公団」(団地マニアのための団体。2000年に設立。団員は2人)の総裁。10年に佐藤大、速水健朗とともに「団地団」を結成。主な著書に「団地の見究」、「工場萌え」(石井哲との共著)、「ショッピングモールから考える―ユートピア・バックヤード・未来都市」(東浩紀との共著)、「新写真論」、「撮るあなたを撮るわたしを」など。
1969年生まれ。脚本家。代表作にアニメ「カウボーイビバップ」(98年)、「交響詩篇エウレカセブン」(2005年)、「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」(02年)、映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』(21年)、『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』『ぼくらのよあけ』(いずれも22年)、TVアニメ『ポケットモンスター』(23年~)などがある。
ライター・編集者。ラーメンからショッピングモールまであれこれ執筆。たまにテレビやラジオのコメンテイターなどもやってます。主な著書に「ラーメンと愛国」「バンド臨終図巻」など。愛車は黄色の日産マーチ・カプリオレ。
1974年生まれ。ライター・コラムニスト・編集者。映画配給会社、出版社を経て独立。主な著書は「ぼくたちの離婚」「映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ―コンテンツ消費の現在形」「ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生」。最新刊は「このドキュメンタリーはフィクションです」。団地団との出会いは、出版社の社員だった2011年に足を運んだ団地団トークライブの第2回。ライブ終了後、トーク内容の書籍化をメンバーに直接もちかけ、「団地団 〜ベランダから見渡す映画論〜」の企画・編集を担当(12年に刊行)。13年の独立を機に正式メンバーへと昇格した。
企画・シナリオ・演出担当の小沢高広、作画・演出担当の妹尾朝子からなる二人組漫画家。代表作「大東京トイボックス」シリーズ。そのほか「ちゃぶだいケンタ」「南国トムソーヤ」「きょくまん」「STEVES」「おもたせしました。」「アイとアイザワ」「ブラガール」など。現在は育児エッセイマンガ「ニブンノイクジ」やWeb漫画サイト「ビッコミ」にて「南緯六〇度線の約束」を連載中。2016年「団地団」へ入団。
1980年生まれ、富山県出身。作家。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年「ここは退屈迎えに来て」でデビュー。主な著書に「アズミ・ハルコは行方不明」「選んだ孤独はよい孤独」「すべてのことはメッセージ小説ユーミン」などがある。16年に刊行した「あのこは貴族」が岨手由貴子監督によって映画化され、21年TAMA映画賞最優秀作品賞を受賞した。今年刊行した「マリリン・トールド・ミー」ではマリリン・モンローをテーマに執筆。「結婚とわたし」「きもの再入門」などエッセイも発表。最新刊はU-NEXTより刊行予定。