第34回映画祭TAMA CINEMA FORUM
永山公民館(多摩市公民館)
関戸公民館(多摩市公民館)
パルテノン多摩総合案内窓口
これは普遍的に生きていくことの「意味」を求める若者の物語。彼方(萩原)は、社会のなかで生きる内向的な社会人。どこか飄々として、それでいて白黒をはっきりさせたがる彼方の同僚・星野(藤堂)。星野の選んだ決断に彼方の人生は大きく揺れ動く。「死」の意味を知る時、明日の選択は自分でできることを知るヒューマンストーリー。
足も速く、小学校の時にはそれなりに目立ちたかった彼方。その隣には元サッカー部、友人も多かった、そんな風貌の星野。ごく普通な彼らが「サラリーマン」になることで、こんなにも鬱々とした日々を送り、そこから抜け出せないでいる。映画のなかだけの話ではない、世の中はこんな人で溢れているのだ。「実家に帰っておいでよ。仕事なんて選ばなければいくらでもあるんだよ」 SNSでつい自分と他人を比べてしまう今、そんなことを思うわたしは甘いのだろうか。今は亡きポエトリーラッパーの歌に救われた自分。そのことをいつか映画にして恩返ししたいという20歳からの想いが形となった。キャスト2人の真っ直ぐな演技と叫びが舞台のような余韻を残す。「不器用で、日々の葛藤から逃げ出せないでいる人の少しでも救いになるなら、自分の活動にも意味がある」そう話す北村匠海。さまざまな顔を持つ彼の「監督」としてのこれからを見逃さないでいようと思う。(R)
1997年生まれ、東京都出身。2008年に俳優デビューし、その後数々の映画・ドラマに出演する。今回、短編映画『世界征服やめた』で、初短編映画監督を務めた。
1999年生まれ、埼玉県出身。主な出演作に映画『劇場版 美しい彼~eternal~』『おとななじみ』『キングダム運命の炎』『ミステリと言うれ』(いずれも23年)、『朽ちないサクラ』『キングダム大将軍の帰還』(いずれも24年)がある。主演映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』の公開が25年4月に控えている。
1995年生まれ、愛知県出身。舞台「いつか、どこかに」(演出・園田英樹)でデビュー。出演作に、舞台「毛皮のマリー」(2019年/演出・美輪明宏)、映画『東京リベンジャーズ』(21年/監督・英勉)、『神回』(23年/監督・中村貴一朗)、CM「大阪ガス e-メタンくん紹介篇」e-メタンくん(声)など。そして映画『遺書、公開。』(監督・英勉)が25年1月31日、主演映画『夢に生きる』(監督・石田祐規)が2025年春に公開予定。
1987年生まれ、福井県出身。東京学芸大学卒業後、複数のメディアでの勤務を経て2020年に独立。映画・アニメ・ドラマを中心に、インタビューやコラム執筆のほか、トークイベント・映画情報番組に出演。23年公開『ヴィレッジ』『正体』ほか藤井道人監督の作品に協力。オフィシャルライターとして『シン・仮面ライダー』『キリエのうた』『カラオケ行こ!』『青春18×2 君へと続く道』『Cloud』などに携わるほか、『市子』『52ヘルツのクジラたち』『朽ちないサクラ』ほかで杉咲花氏の公式インタビューを担当。装苑、WOWOWなどで連載中。