第34回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【D-12】新鋭監督と俳優の出会い ―Vol.1―

11/25[月] ベルブホール
チケット情報

チケット料金

一般
当日のみ:800円
子ども(4歳~小学生)
無料
会場アクセス

ベルブホール

〒206-0025 東京都多摩市永山1-5
小田急多摩線/京王相模原線「永山駅」より徒歩2分。ベルブ永山5階

がんばっていきまっしょい

  • 1998年/フジテレビジョン、ポニーキャニオン、アルタミラピクチャーズ製作/東映配給/119分
  • 監督・脚本=磯村一路
  • 原作=敷村良子
  • 製作=周防正行、桝井省志、宅間秋史
  • 撮影=長田勇市
  • 音楽=Lee-tzsche with penguins
  • 美術=磯田典宏
  • 編集=菊池純一
  • 出演=田中麗奈、清水真実、葵若菜、真野きりな、久積絵夢、中嶋朋子

コメント

男子部しかなかったボート競技の女子部を作り、知識も経験もないままガムシャラに練習していく。制作のアルタミラピクチャーズはこの後に『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』といった青春映画のヒット作を次々と送り出すが、本作がその礎を築いたと言える。

言わずと知れた田中麗奈の映画初主演作であり、主人公のひたむきさと鬱屈とした思いを等身大で演じている。また、今回改めて作品を鑑賞してみて、母と死別したチームメイトの料理しながらの訥々とした語りや控えめな佇まいが妙に印象に残った。

舞台が愛媛の松山という記憶はあったが、時代が50年近く前の設定ということに気づいて驚いた。公開された90年代の輝きが未だに色褪せず胸に響く一本。今年の10月にアニメ映画として再映像化され、現代劇として描かれる。執筆時点では公開前だが、本作と見比べてみるのも面白いかもしれない。(理)

死に花

  • 2004年/「死に花」製作委員会製作/東映配給/120分
  • 監督・脚本=犬童一心
  • 原作=太田蘭三
  • 脚本=小林弘利
  • 製作=横溝重雄、大里洋吉、早河洋
  • プロデューサー=木村立哉、橘田寿宏、福吉健、松田康史
  • 撮影=栢野直樹
  • 美術=磯田典宏
  • 音楽=周防義和
  • 出演=山﨑努、宇津井健、青島幸男、藤岡琢也、谷啓、長門勇、松原智恵子、森繁久彌、星野真里、戸田菜穂

コメント

のっけから「多摩市黒川」の老人ホームが舞台ということでニヤリ。老い先の短さを感じた老人たちが一世一代の大犯罪に乗り出すのだからたまらない。特殊な技能もない女好きや大ぼら吹きといった面々がくたびれた心身に鞭打って無謀な計画を進め、二転三転するのに思わず手に汗を握ってしまった。

老人のケイパーものといえばモーガン・フリーマンらが主演した『ジーサンズ はじめての強盗』(2017年)や『ナイト ミュージアム』(2007年)を思い浮かべる。どちらも洋画作品で、前者は自分たちを蔑ろにした大企業への復讐、後者は魔法の石板で若さを取り戻すといった目的を持っていたが、邦画である本作は高齢社会に直面している日本らしい仕掛けが施されているのも見どころの一つだ(さらには人情もふんだんに、哀切なラストの余韻もたまらない)。

青島幸男、藤岡琢也、森繁久彌の遺作となったことでも有名だが、快活に「あばよ!」と手を振られたような清々しい気分になる、正しく死に花の一作である。(理)

プログラム一覧

牛尾憲輔氏(電子音楽家/劇伴作家/プロデューサー)、佐々木敦氏(思考家/HEADZ主宰)
齋藤潤氏、早瀬憩氏、伊藤さとり氏(映画パーソナリティ)
井上淳一氏(脚本・監督)、芋生悠氏、碧木愛莉氏、杉田雷麟氏、宮田岳氏、中野ミホ氏
北村匠海監督、萩原利久氏、藤堂日向氏、SYO氏(映画ライター)
山中瑶子監督、河合優実氏、五所純子氏(文筆家)
呉美保監督、忍足亜希子氏、中井圭氏(映画解説者)
石橋夕帆監督、岩田奏氏(俳優)、石山愛琉氏(俳優)
井口奈己監督、小川あん氏(俳優)
小関裕太氏、中川龍太郎監督
チャン・ゴンジェ監督、ソ・ジュニョン氏
チャン・ゴンジェ監督、菊地成孔氏(音楽家/文筆家)
有馬尚史監督、松田咲香氏(写真家)、小川紗良氏(文筆家・映像作家・俳優)
竹林亮監督、川和田恵真監督
山崎まどか氏(コラムニスト)、ゆっきゅん氏(DIVA)
大山顕氏、佐藤大氏、稲田豊史氏、速水健朗氏、妹尾朝子氏、山内マリコ氏
山内マリコ氏(作家)
村瀬大智監督、中山慎悟氏、百々武氏(写真家)
小路紘史監督、遠藤雄弥氏、森田想氏、後藤剛範氏、倉本朋幸氏、佐藤五郎氏