第34回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【D-14】新鋭監督と俳優の出会い ―Vol.2― 役所広司篇

11/26[火] ベルブホール
チケット情報

チケット料金

一般
当日のみ:800円
子ども(4歳~小学生)
無料
会場アクセス

ベルブホール

〒206-0025 東京都多摩市永山1-5
小田急多摩線/京王相模原線「永山駅」より徒歩2分。ベルブ永山5階

Shall we ダンス?

  • 1996年/大映、日本テレビ放送網、博報堂、日本出版販売製作/東宝配給/136分
  • 監督・原案・脚本=周防正行
  • 製作総指揮=徳間康快
  • 製作=加藤博之、漆戸靖治、大野茂、五十嵐一弘
  • プロデューサー=木村立哉、橘田寿宏、福吉健、松田康史
  • 撮影=栢野直樹
  • 美術=部谷京子
  • 音楽=周防義和
  • 出演=役所広司、草刈民代、原日出子、竹中直人、田口浩正、徳井優、渡辺えり子、草村礼子、柄本明

コメント

仕事も家庭生活も順調で何不自由なく日々を過ごしていた役所広司演じる中年男性が、電車からふと眺めた景色のなかにビルの窓際でたたずむ女性(草刈)を見つける。そこがダンス教室だと知り、下心交じりで戸を叩いたことで予期しなかった新しい世界が開いていくという導入なのだが、徳井優や田口浩正、渡辺えり子といった教室に集まる個性的な面々がダンスとともに織り上げていく人生模様がこの作品を豊かで快活なものにしている。

不純な動機で習い始めたダンスにのめり込み、努力して上達していく姿はスポーツものの少年漫画を彷彿とさせる。ラストのダンスパーティで窓際の女性への下心が憧憬の入り交じった感情となり、ダンスを通じて旅立つ相手の背中を後押しする様はまちがいなく内面的な成長を描いているため、この印象はさほど外れていないだろう。

人生の楽しみ方を教えてくれるこの人間讃歌は、国内のみならず世界的にも大ヒット作となってリチャード・ギア主演のリメイク版も製作されている。(理)

キツツキと雨

  • 2012年/「キツツキと雨」製作委員会製作/角川映画配給/129分
  • 監督=沖田修一
  • 脚本=沖田修一、守屋文雄
  • エグゼクティブ・プロデューサー=井上伸一郎、椎名保
  • 製作=池田宏之、籏啓祝、油谷昇、佐藤政治、阿佐美弘恭、喜多埜裕明
  • 撮影=月永雄太
  • 美術=安宅紀史
  • 編集=佐藤崇
  • 出演=役所広司、小栗旬、高良健吾、臼田あさ美、平田満、伊武雅刀、山﨑努、古舘寛治

コメント

妻を亡くして一緒に暮らす息子(高良)との関係がギクシャクしている木こりの男(役所)の生活に突然入り込んできた映画撮影。なりゆきでロケーション探しや運転手、ゾンビのエキストラ、果てにはADの仕事を活き活きと引き受けるようになっていく。

小栗旬演じるいっぽうの主人公は、年季の入った助監督(古館)の後を存在感なく付いて歩いている新人監督で、ゾンビ映画の撮影を投げ出して逃げようとした際に木こりと関わるようになる。

木こりは新人監督に息子を重ね、新人監督は不器用だがまっすぐな木こりに感化され、というようにふたりは互いに影響を与えあっていくのだが、その経緯が面白く、特に一緒に海苔を食べながら将棋を打つシーンは印象的だ。

派手な展開や名台詞めいたものはあまりないものの、場面一つ一つで積み重ねられる人間関係がじわじわと染み込んでくる。クライマックスの雨の撮影シーンで描かれた、足踏みをするしかない時期も焦らず待ち、タイミングが巡ってきたら迷わず行動することの大切さがなおさら心に残った。(理)

プログラム一覧

牛尾憲輔氏(電子音楽家/劇伴作家/プロデューサー)、佐々木敦氏(思考家/HEADZ主宰)
齋藤潤氏、早瀬憩氏、伊藤さとり氏(映画パーソナリティ)
井上淳一氏(脚本・監督)、芋生悠氏、碧木愛莉氏、宮田岳氏、中野ミホ氏
北村匠海監督、萩原利久氏、藤堂日向氏、SYO氏(映画ライター)
山中瑶子監督、河合優実氏、五所純子氏(文筆家)
呉美保監督、忍足亜希子氏、中井圭氏(映画解説者)
石橋夕帆監督、岩田奏氏(俳優)、石山愛琉氏(俳優)
井口奈己監督、小川あん氏(俳優)
小関裕太氏、中川龍太郎監督
チャン・ゴンジェ監督、ソ・ジュニョン氏
チャン・ゴンジェ監督、菊地成孔氏(音楽家/文筆家)
有馬尚史監督、松田咲香氏(写真家)、小川紗良氏(文筆家・映像作家・俳優)
竹林亮監督、川和田恵真監督
山崎まどか氏(コラムニスト)、ゆっきゅん氏(DIVA)
大山顕氏、佐藤大氏、稲田豊史氏、速水健朗氏、妹尾朝子氏、山内マリコ氏
山内マリコ氏(作家)
村瀬大智監督、中山慎悟氏、百々武氏(写真家)
小路紘史監督、遠藤雄弥氏、森田想氏、後藤剛範氏、倉本朋幸氏