第35回映画祭TAMA CINEMA FORUM
おかしと人間が仲よく暮らすスイーツランドでは、歌って踊るスーパーアイドル「たべっ子どうぶつ」が大人気。この世すべてのおかしの排除を企む「わたあめ軍団」に捕らわれてしまったぺがさすちゃんのため、カワイイだけで戦闘力ゼロのたべっ子どうぶつたちが成功困難な救出ミッションに立ち上がる。絶体絶命の彼らが見つけた大逆転の秘策とは?
子どものころからおなじみだけれど、どちらかというと中身のビスケットに書いてある英語に目を奪われていた「たべっ子どうぶつ」。パッケージはフレーバーかと思いきや、この映画を見たら仰天しきりだった。らいおんくん、ぞうくん、うさぎちゃんなどなど各キャラクターの個性が立っており、特に別行動で活躍するわにくんは風車の弥七ばりにロマンを感じた。そんなレギュラーにゲストとして加わるぺがさすちゃんのきらびやかさと裏腹の葛藤がまた良い。
感心したのは、非情な敵と思われた「わたあめ軍団」の思想の根っこに、誰でもうなずけるありふれた感情があったところだ。たべっ子どうぶつ側に入ったわたあめ・ゴッチャンと黒幕の掛け合いは、ベテラン声優ふたりの熱演もあってまさにクライマックス。
ライブシーンのにぎやかさ、まさかの他メーカーからのおかしの客演など見どころ満載で、今年のアニメ映画のなかでも印象に強く残る1本となった。(理)