第35回映画祭TAMA CINEMA FORUM
魔法使いによって飛行馬に乗せられ、遠い国に送られたアクメッド王子は、冒険の旅の途中で妖精パリバヌーと恋に落ち、彼女を守るため悪魔や魔法使いと戦います。途中アラジンに出会い、魔法のランプを手に入れると、魔法使いとの戦いでパリバヌーを救い、彼女を伴って無事に都に戻ります。父王カリフは息子の帰還を心から喜ぶのでした。
ドイツの影絵アニメーション作家ロッテ・ライニガー(1899~1981年)の最高傑作『アクメッド王子の冒険』の、電子音楽家のテンテンコによる生演奏付き特別上映です。
「千夜一夜物語」のモチーフに着想を得た本作は、現存する最古の長編影絵アニメーション映画で、変身や裏切り、幽霊の戦いや魔法の戦いを描きながら、豊かな物語世界とアジアの影絵美術を結びつけ、アニメーション映画の黎明(れいめい)期に誕生した傑作と評価されています。
25万枚に及ぶ繊細な切り絵、トレーシングペーパー、そしてコマ撮りカメラを用いた3年に及ぶ緻密な手作業によって制作されており、ほぼ100年前に作られたにもかかわらず、その芸術的かつ娯楽的な質の高さで、世界中の多くのアーティストに影響を与え、現代の鑑賞者を魅了し続けています。
そして今回は、テンテンコの電子音楽パフォーマンスが、このヨーロッパの歴史的なアニメーション作品にまったく新しい音響体験をもたらします。
東京を拠点とするエレクトロニクスミュージシャン、DJ。ジャンクでストレンジ、そしてポップさを兼ね備えた唯一無二のミュージックマシーン。MOOGシンセサイザー、リズムボックス、電子音楽に魅せられて、楽器は何も弾けないまま、見様見真似で始めたヘンテコ電子音楽は、見るものを困惑と幻想の世界へと誘う。たぬきがやっているお祭りがコンセプトのイマジナリーパーティ「ぽんぽこ山」主催。「ぽんぽこ山」は、幡ヶ谷FORESTLIMITにて、2023年11月より不定期開催中。