第35回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【B-8】役者「瀧内公美」特集

11/23[日] パルテノン多摩小ホール
  • 15:30-17:18
  • 17:30-19:26
  • 19:35-20:10
    トーク
    ゲスト:瀧内公美氏、
    司会:伊藤さとり氏(映画パーソナリティ)
    トーク終了後に第17回TAMA映画賞最優秀女優賞個別表彰式を予定
チケット情報
  • 一般
     
    前売 1,900円
    当日 2,000円 
  • 子ども(4歳~小学生)
     
    前売 800円
    当日 900円 
  • 支援会員特別料金
    ― 
  • 障がい者特別料金
    ― 

インターネットで購入

チケット販売サービス teket [テケト]購入ページ

窓口で購入

永山公民館(多摩市公民館)

取扱時間:9:00〜17:00
[休館日と祝日を除く。休館日:第1木曜、第3木曜]
※「【A-1】第17回TAMA映画賞授賞式」のチケット購入については販売方法が異なりますので専用ページをご確認ください。

関戸公民館(多摩市公民館)

取扱時間:9:00〜17:00
[休館日と祝日を除く。休館日:第1月曜、第3月曜]
※「【A-1】第17回TAMA映画賞授賞式」のチケット販売はございません。

パルテノン多摩総合案内窓口

取扱時間:10:00〜19:00
[休館日を除く。休館日:11/10(月)・11/11(火)]
※パルテノン多摩が会場のチケットのみの販売となります。(【A-1】除く)
※パルテノン多摩の「オンラインチケット」および「電話予約サービス」はご利用いただけません。
会場アクセス

パルテノン多摩 小ホール

〒206-0033 東京都多摩市落合2-35
小田急多摩線/京王相模原線/多摩都市モノレール「多摩センター駅」より徒歩5分。(パルテノン大通りを直進)

  • 2023年/製作:「敵」製作委員会/宣伝・配給:ハピネットファントム・スタジオ/ギークピクチュアズ/企画協力:新潮社/108分
  • 監督・脚本=吉田大八
  • 原作=筒井康隆『敵』(新潮文庫刊)
  • 撮影=四宮秀俊
  • 照明=秋山恵二郎
  • 美術=富田麻友美
  • 音楽=千葉広樹
  • フードスタイリスト=飯島奈美
  • 出演=長塚京三、瀧内公美、河合優実、黒沢あすか

ストーリー

渡辺儀助、77歳。20年前に妻に先立たれ、10年前に大学教授の職を辞して以来、彼は実家の古い日本家屋で慎ましい独り暮らしをしている。預貯金があと何年持つかを計算しながら、すなわち自身が後何年生きられるかを計算しながら、時にはかつての教え子を招いてディナーを振舞ったりする。遺言書も作成し、最期の時を待つ静かな毎日。ある時、そんな彼のパソコンに「敵がやって来る」 という不穏なメッセージが届く。それから儀助の周りで、奇妙な出来事が起こり始めていく……。

コメント

妻に先立たれた元教授の一人暮らしはきちんとしており、静かで洗練された毎朝のルーティーンが、その知的な暮らしぶりを物語る。しかし、どんなに理知的で規則正しい生活をしていても「老い」は必ずやってくる。「敵がやってくる」という不穏なメッセージを際立たせるのは、この穏やかな日常を丁寧に描いた前半だ。

「敵」とは誰か。私はそれを「老い」だと感じた。老いは守り抜いてきたプライドや名誉、封印してきた欲望の過去を暴き出す。妄想に浮かび上がるのは、瀧内公美、黒沢あすか、河合優実ら美しくも怖い女優陣。そのなかで長塚京三は、老年期の見せたくない姿をさらけ出しながらも、威厳や清潔さを失わない。

真正面から「老い」をテーマに、主人公の内面の葛藤を夢や妄想を通して描き出す。モノクロ映像には元教授が辿(たど)った負の側面が滲(にじ)み、自分もまた必ず老いることの覚悟を迫られた。(小)

レイブンズ

  • 2024 年/フランス・日本・ベルギー・スペイン/アークエンタテインメント配給/116分
  • 監督・脚本=マーク・ギル
  • 撮影=フェルナンド・ルイス
  • 衣装デザイン=宮本茉莉
  • 音楽=テオフィル・ムッソーニ、ポール・レイ
  • 出演=浅野忠信、瀧内公美、ホセ・ルイス・フェラー、古舘寛治、池松壮亮、高岡早紀
12歳未満の方は保護者の同伴が適当です

ストーリー

運命に導かれるように、深瀬昌久(浅野)は洋子(瀧内)と出会い、激しい恋と創作の渦に身を投じる。写真はふたりの情熱を刻み、革新的な輝きを放つ。しかし裏切りの瞬間、絆は崩れ、深瀬の心は闇に堕(お)ちる。そこから生まれた“鴉(からす)の化身”が、彼を苛烈で孤独な芸術の道へと突き動かしていく。

コメント

映画『レイブンズ』は、写真家・深瀬昌久氏の伝記作品であり、その妻・洋子さんとのラブストーリーである。北海道から上京した深瀬氏は孤独と挫折のなかで洋子さんと出会い、やがて彼女は人生の伴侶となり、創作の源泉ともなる存在となる。瀧内公美さんは1970年代の自由で奔放で才気あふれるミューズとしての「洋子」を鮮やかに体現し、当時の時代の息吹を現代のスクリーンに鮮烈に蘇(よみがえ)らせた。しかし同時に、“生身の妻としての洋子”と、深瀬のファインダーを通して束縛され窮屈な存在となる“もう一人の洋子”の二重性を見事に演じ分けている。愛し合い、支え合いながらも、次第に信頼が揺らぎ、裏切りへと至る夫婦の関係は、愛の試練であると同時に芸術の代償を示すものとなる。激情と孤独、創造と破滅が交錯するこの物語は、単なる恋愛劇を超えて「生きること」と「表現すること」の根源を問う濃密なラブストーリーへと昇華している。(LS)

ゲスト紹介

瀧内 公美 氏

Takiuchi Kumi

1989年生まれ、富山県出身。内田英治監督『グレイトフルデッド』(2014年)で映画初主演。『火口のふたり』(19年)で、第41回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞・第93回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞、『由宇子の天秤』(21年)で、第31回日本映画批評家大賞主演女優賞・第31回日本映画プロフェッショナル大賞主演女優賞など、国内外で多くの賞を受賞。25年は『レイブンズ』のほかに『敵』『奇麗な、悪』『ゆきてかへらぬ』『国宝』『ふつうの子ども』『宝島』が公開された。

伊藤 さとり 氏

Ito Satori

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー。邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見などのMCを数多く担当し、心理学的な視点からも映画を解説・評論。「ぴあ」ほかでの映画評連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」での俳優対談番組、TBS「ひるおび」での映画コーナーなど、幅広いメディアで映画を紹介。著書に「愛の告白100選 映画のセリフでこころをチャージ」(KADOKAWA)など。2023年「女性記者映画賞」を発起人として設立。