第35回映画祭TAMA CINEMA FORUM

プログラム紹介

【B-5】『遠い山なみの光』を紐解く

11/22[土] パルテノン多摩小ホール
チケット情報
  • 一般
     
    前売 1,900円
    当日 2,000円 
  • 子ども(4歳~小学生)
     
    前売 800円
    当日 900円 
  • 支援会員特別料金
    ― 
  • 障がい者特別料金
    ― 

インターネットで購入

チケット販売サービス teket [テケト]購入ページ

窓口で購入

永山公民館(多摩市公民館)

取扱時間:9:00〜17:00
[休館日と祝日を除く。休館日:第1木曜、第3木曜]
※「【A-1】第17回TAMA映画賞授賞式」のチケット購入については販売方法が異なりますので専用ページをご確認ください。

関戸公民館(多摩市公民館)

取扱時間:9:00〜17:00
[休館日と祝日を除く。休館日:第1月曜、第3月曜]
※「【A-1】第17回TAMA映画賞授賞式」のチケット販売はございません。

パルテノン多摩総合案内窓口

取扱時間:10:00〜19:00
[休館日を除く。休館日:11/10(月)・11/11(火)]
※パルテノン多摩が会場のチケットのみの販売となります。(【A-1】除く)
※パルテノン多摩の「オンラインチケット」および「電話予約サービス」はご利用いただけません。
会場アクセス

パルテノン多摩 小ホール

〒206-0033 東京都多摩市落合2-35
小田急多摩線/京王相模原線/多摩都市モノレール「多摩センター駅」より徒歩5分。(パルテノン大通りを直進)

遠い山なみの光

  • 2025年/日本、イギリス、ポーランド/ギャガ配給/123分
  • 監督・脚本・編集=石川慶
  • 原作・エグゼクティブプロデューサー=カズオ・イシグロ
  • 製作総指揮=堤天心
  • プロデューサー=石黒裕之、福間美由紀、スティーヴン・ウーリー、エリザベス・カールセン、マリウシュ・ヴォダルスキ、マルタ・グモシンスカ
  • 撮影=ピオトル・ニエミスキ
  • 音楽=パヴェウ・ムィキェティン
  • 美術=我妻弘之
  • 装飾=森公美
  • スタイリスト=高橋さやか
  • ヘアメイク=酒井夢月
  • 出演=広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊、カミラ・アイコ、松下洸平/三浦友和

ストーリー

1980年代イギリス。作家志望のニキ(カミラ)は、母・悦子(吉田)がひとり暮らす実家を訪れる。かつて長崎で原爆を経験し、戦後イギリスに渡った悦子(50年代:広瀬)はニキに乞われ、長崎にいた頃のことを語りはじめる。それは彼女が昔、長崎で知り合った佐知子(二階堂)という女性とその幼い娘とのひと夏の記憶だった。

コメント

戦争で原爆投下に見舞われた、戦後復興期の長崎。本作は、その街で、変わりゆく時代に翻弄されながらも生きていく人々の姿が描かれている。

戦争が終わり、かつて跡形もなくなった街は、息を吹き返すように生まれ変わっていく。その光景を前にして、人々は“新しい夜明け”の訪れに、微かな望みを抱きはじめる。けれど、希望の先にあるのは、必ずしも明るい未来だけではない。戦争が刻んだ傷跡は消し去ることができず、大きな影がいつまでもつきまとう。忘れたくても、忘れさせてはくれない。その深い悲しみは、悦子の心にもまた重くのしかかる。彼女が前を向いて生きていくためには、自分を欺くほかなかったのだろう。

時はとどまることを知らず、時代も変わり続けていく。作中、世代を超えて投げかけられる「私たちも変わらなくては」という言葉は、日々移りゆく価値観のなかを手探りで生きている、現代の私たちの姿とも重なっているように映った。(多)

ゲスト紹介

石川 慶 監督

Ishikawa Kei

1977 年生まれ、愛知県出身。ポーランド国立映画大学で演出を学ぶ。長篇映画監督デビュー作となる『愚行録』(2017年)では、第73回ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門に選出。『蜜蜂と遠雷』(19年)では、毎日映画コンクール日本映画大賞などを受賞。22年に公開した『ある男』は、第46回日本アカデミー賞にて最優秀作品賞を含む最多8部門を受賞した。ほかの作品に、『Arcアーク』『不都合な記憶』がある。

月永 理絵 氏

Tsukinaga Rie

ライター、編集者。「朝日新聞」「週刊文春」「CREA.web」などで映画評やインタビュー記事を執筆。ほか映画関連のインタビューや書籍・パンフレット編集など多数。YouTube番組「活弁シネマ倶楽部」のMCとしても活躍中。著書に「酔わせる映画 ヴァカンスの朝はシードルで始まる」(春陽堂書店)。